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2015年11月

「Heaven?」(佐々木倫子)のオマール海老のバプール エミール・ガレ風

「Heaven?」(佐々木倫子)オマール海老のバプール エミール・ガレ風
「Heaven?」(佐々木倫子/小学館)4巻より
ひょんなことから、オマール海老をいただきました。しかも生きてる状態で。活きオマール。

自分ではなかなか買えない食材だけに、「アレが再現できる日が来た…」とテンションが上がりました。
レストランを舞台にした佐々木倫子先生の名作「Heaven?」に登場する、「オマール海老のバプール エミール・ガレ風」。
※【コマ引用】「Heaven?」(佐々木倫子/小学館)4巻より

黒須オーナー(「動物のお医者さん」でいう漆原教授的キャラ)に、秋の新作メニューを試食してもらう小澤シェフ。しかし黒須から返ってきたのは「おいしいけれど、意外性がない」という、ぼんやりしたダメ出し。

何度も料理を作り直すも反応は良くなく、最終的にふたりは険悪に。オーナーは「シェフが自由に決めてちょうだい」と行方知れずになります。
急に突き放された小澤シェフはスランプに陥り、憔悴し切った中で生み出したのが、この“迷作”。

オマール海老を大胆に秋の風物詩・赤とんぼに見立てて盛り付けた一品。
料理名にもなっているエミール・ガレは昆虫をモチーフにしたガラス工芸品が有名ですが、そこから着想したのでしょうか。凝ってる、確かに凝っているんだけど、誰も求めていない方向への飛ばし方です。

オマール海老作り方:
そろそろオマール君と対峙します。
1時間ほど電車で揺られたせいか若干お疲れ気味ですが、たまにシャーッと威嚇してきます。
再現料理のなかでいろんな食材と向き合ってきましたが、生きてる状態からの殺生するのは初めてで、腰が引ける。


蒸す料理名にもなっている「バプール」とは、フランス語で「蒸す」という意味のよう。
沸かした蒸し器の中に、「南無…」と唱えながら投入。

フタをして15~20分ほど蒸すと、鮮やかな色に。

爪をとる 胴体を離す
あとはさばくだけですが、思ったよりも簡単。まず2本の爪と脚の部分を手でむしりとります。その後、頭と胴体をこれも手で外します。頭のなかには美味しい味噌がたっぷり詰まっているので、台所でこっそりいただいてしまう。
身をスライスする身の部分は殻を外し、5~6等分にスライスします。

きゅうり、トマトの細工縦に薄くスライスしたキュウリ、バラの形に細工したトマトの皮、セルフィーユを盛り付け。


オマール海老を配し、身の部分にピンクペッパーを乗せて完成。
「Heaven?」(佐々木倫子)オマール海老のバプール エミール・ガレ風
ぶーん感。

「Heaven?」(佐々木倫子)オマール海老のバプール エミール・ガレ風
食べた感想:
オマール海老って美味しいんだなあ。という以上の感想が浮かばない。好みのソースを用意してもいいけど、そのままでもうまみがあって充分なごちそう。

ここからは番外編ですが……。

ビスク カレー
オマール海老のビスクカレー
オマール海老は殻もご馳走。食べ終わった殻はじっくり煮詰めてビスクを作ります。これをベースに野菜やらスパイスやらを足して煮たら、ものすごく高級な味のカレーになりました。

しかし「Heaven?」はレストランが舞台なのに、いざ再現しようとすると以前作ったこれといい、まともに美味しそうな料理があまりないという。逆に言えば、料理に頼らなくてもグルメ漫画はここまで面白くなる、ということを証明しているのかも。

Heaven? 4 (4)
Heaven? 4 (4)

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「きのう何食べた?」(よしながふみ)の関西風お好み焼き(豚玉)

「きのう何食べた?」(よしながふみ)11巻のお好み焼き

「きのう何食べた?」(よしながふみ/講談社)11巻より発売されたばかりの「何食べ」11巻より、「関西風お好み焼き」です。
※【コマ引用】「きのう何食べた?」(よしながふみ/講談社)11巻より

こちらはケンジが勤める美容院の同僚・タブチ君の料理。
タブチ君といえば、過去には長崎皿うどんやカルボナーラなど、いずれもお付き合いしている彼女がらみのレシピが登場してきましたが、今回は別れたばかりの大阪出身の元カノに作ってあげていたもの。

恋愛相手にあわせて趣味が増えていく人ってたまにいますが、タブチ君は料理のレパートリーが増えていくタイプでしょうか。今後も「くいしん坊!万歳」のように津々浦々制覇していただきたい。


牛乳、卵、小麦粉作り方:(※分量は作品をご確認ください)
山芋をすりおろして…など、こだわるとそれなりに手間のかかるお好み焼きですが、タブチ流は市販のお好み焼き粉でOK。
ただし、ここで水のかわりに牛乳を入れるのがポイントらしい。お好み焼きに牛乳、初めて聞いた!
卵と一緒に泡だて器でよく混ぜ合わせます。

混ぜる上で作った生地を1人分のみ別のボウルに取り分け、粗みじん切りにしたキャベツ、わけぎ、天かすを入れて空気を含ませるようによく混ぜます。
いちどに大量に作ると、キャベツの水分が出て生地がダレてしまうのでNGらしい。

焼く 焼く2
焼く時もこだわりがあります。
油をひき、中弱火で熱したフライパンに生地の2/3を広げ、中央にくぼみを作ります。その後、残りの生地をそのくぼみにのせます。こうすることで、ふわっと厚みのある焼き上がりになるそう。

豚バラ ひっくり返し
豚バラ3枚を生地の上にのせ、3分焼いたらひっくり返す。

ふた ソース
フタをして5分蒸し焼きにし、再度ひっくり返して生地の水分を飛ばす。2分ほど焼いて、生地の中央に箸を刺してくっつかなければOK。ソース、マヨネーズ、紅ショーが、青のり、かつお節をトッピングして完成。

チーズちなみにチーズ入りバージョンは、焼く際に生地の1/2を広げてスライスチーズを3枚のせ、残りの生地をかぶせて同様に焼き上げます。


お好み焼きはデコってなんぼ。
「きのう何食べた?」(よしながふみ)11巻のお好み焼き

「きのう何食べた?」(よしながふみ)11巻のお好み焼き
食べた感想:
数々のテクニックを駆使しているだけあり、ふわっとした食感で、牛乳効果のせいか、後味がまろやか…! チーズ入りver.は、たっぷり3枚もスライスチーズが入っているので、とろける食感がたまらん。

関西出身の身でこういうこと言うのも何ですが、以前はお好み焼きはどう作ってもそこそこ美味しい食べもので、「マズいお好み焼き」もなければ、逆に「めちゃくちゃ美味しいお好み焼き」というのもない、という考えでした。でも作り方によってこんなに味が変わるんだなあ、と見識の狭さをちょっと反省。

バランス献立派のシロさんと違って、タブチ君メニューの回は一皿がっつり系が多いせいか、個人的に「そそられ度」が高いので、今後のメニューも楽しみ。

何食べ手ぬぐい
11巻の限定版を買ったら、こんなオマケがついてきました。手ぬぐいってところがシロさんっぽくていいですね(汚すのもったいなくて、キッチンで使いたいけど使えないジレンマ)。

きのう何食べた?(11)限定版 (プレミアムKC モーニング)
よしなが ふみ
4063623165

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「颯爽な家政婦さん」(小池田マヤ)のさつまいもと鶏のクスクス

「颯爽な家政婦さん」(小池田マヤ)のさつまいもと鶏のクスクス

「颯爽な家政婦さん」(小池田マヤ/双葉社)より大好きな「家政婦・里」シリーズに新作が!(いつの間にか掲載誌が「フィールヤング」から双葉社の「JOUR」にうつってたんですね)

新刊「颯爽の家政婦さん」には、2つのエピソードが収録されています。今回は後編の「サンドローズ」のなかに登場する、さつまいもと鶏のクスクスを再現してみました。
※【コマ引用】「颯爽な家政婦さん」(小池田マヤ/双葉社)より

里が派遣されたのは、認知症が進む姑(大奥様)と、その介護で鬱になった妻、家庭を放置する夫、という崩壊気味の一家。さしものSランク家政婦も、ここでは苦戦を強いられます。

「颯爽な家政婦さん」(小池田マヤ/双葉社)より鮮烈なのは、里がリクエストに応えて作ったクスクス料理を、妻・真砂が「本物の味はこうじゃない」と床にぶちまけるシーン。さらに嫌がらせのように、里はその後も続けてクスクスを作らされます。
※【コマ引用】「颯爽な家政婦さん」(小池田マヤ/双葉社)より

「世界最小のパスタ」クスクスは世界中で広く食べられていますが、本場はチュニジアやモロッコといった、サハラ砂漠が広がるマグレブ地域。

非日常的なエスニック料理の背後には、この家の嫁姑間の確執が潜んでいました。クスクスを通じて描き出される、まるで砂漠のように終わりのない女たちの地獄、そして美しい現実逃避。

「里シリーズ」が単なるグルメ漫画でないのは、家事を通じて日常に潜む光や暗部を描いているところにあると思います。

クスクス作り方:(※レシピは単行本の小池田先生のあと書きを参考にしています。詳しい分量などはそちらをご確認ください)

お店で買った乾燥クスクスが、偶然にも作中と同じ製品でちょっとうれしかった(チュニジアのローズブランシュというブランドのようです)。
お湯で戻すだけのインスタント版と、数回に分けて蒸す本格版の2種類の方法が紹介されていますが、今回はせっかくなので後者の方法で。

水を入れる 混ぜる
ボウルにクスクスと水を入れ、よく混ぜて2~3分吸水させます。水気を含んだクスクスは、手で混ぜると粟のようにくっつきます。チュニジアにはきっと「濡れ手にクスクス」みたいな慣用句があるに違いない。

蒸す オリーブオイル
蒸し器の上にガーゼをしいたボウルをのせ、クスクスを入れて15分蒸します(フタはしない)。蒸したクスクスはボウルに戻し、塩、オリーブオイル、水を加えてよく混ぜます。

蒸す(3回目)上記と同様の方法でまた15分蒸して、ボウルで塩&オリーブ&水。
これを「気が済むまで」繰り返したら完成。私は3回蒸しましたが、これくらいでふっくらした食感に仕上がります(塩味がきつくなりすぎないように注意)。
途中で味見をしたところ、「クスクスってこんなに美味しかったっけ…」と驚きました。何度かお店で食べたことはあるけど、蒸したてがこれほど美味と知らなかった。時間がある方は、ぜひ蒸す方法で試していただきたい。

鶏ももの下ごしらえクスクスを蒸している間に、鶏モモ肉を下ごしらえ。
ひと口大に切ったモモ肉に、塩・コショウ、コリアンダー、ターメリック、みじん切りしたショウガとニンニクをよく揉みこみます。

さつまいも 野菜
メインのさつまいもは、2センチ角に切って水にさらしておく。野菜は今回はトマト、ズッキーニ、にんじん、ごぼう、玉ねぎと盛りだくさんに。

鶏ももとさつまいも 野菜を炒める
フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、下ごしらえした鶏モモ肉に強火で焼き目をつけ、脂が出たらさつまいもを入れて軽く一緒に炒める。いったん取り出し、残った脂で野菜を炒める。

スープストック クスクス投入
野菜がしんなりしてきたら、お湯で溶かしたスープストック(分量は書かれていませんが、今回はクスクス2合分に対して300ccほど)、ローレル、パセリを入れてひと煮立ちさせる。取り分けておいた鶏とサツマイモ、クスクスを投入してよく混ぜる。

オーブンへオーブンプレートにオリーブオイルをぬったクッキングシートを乗せ、クスクスを平らに敷き詰めます(2合分のクスクスを炊いたものの、うちのオーブンには入りきらなかったので、写真は1/2量です)。
オーブンで表面がカリッとする程度に焼き(今回は180度で30分ほど)、仕上げにバターを溶かしかけて完成。


焼きあがったクスクスは表面が黄金色。確かに美しい砂漠のよう。
焼き上がり

取り分けていただきます。
「颯爽な家政婦さん」(小池田マヤ)のさつまいもと鶏のクスクス

「颯爽な家政婦さん」(小池田マヤ)のさつまいもと鶏のクスクス
食べた感想:
表面はこんがり、スープを吸ってふっくら炊きあがったクスクスと、サツマイモの甘み、スパイシーな鶏肉、食感さまざまな野菜の取り合わせがなんとも美味しい。これ一皿ですごい満足感。
残りはお弁当にしたのですが、冷めてもしっかり美味しくて、こんなに優秀な食材だと思わなかったよ、クスクス。今度は羊肉やシーフードでも試してみたいなー。

ちなみに作中にも登場しますが、本場では「クスクス専用鍋」というものまであるらしい。

下の段でスープを作り、その蒸気で上の段のクスクスを蒸す…という仕組み。里が完敗した大奥様の本格クスクス、これもいつかチャレンジしてみたい。

颯爽な家政婦さん (ジュールコミックス)
小池田 マヤ
4575336092



家政婦さんシリーズの再現一覧はこちら(※PCのみ)



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