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2015年05月

「あたりまえのぜひたく。」(きくち正太)の中華茶碗蒸し

「あたりまえのぜひたく。」(きくち正太)のきくち家特製中華茶碗蒸し

「おせん」シリーズを完結させたきくち正太先生の新作は、幻冬舎のWEBサイトの連載をまとめた「あたりまえのぜひたく。」。きくち家の日常の料理事情を描いたグルメエッセイ漫画です。

七輪や骨董を普段づかいするなど、作品世界そのままの美学にあふれたきくち家の食卓。
とくに仕事場のアシスタントさんたちのまかないを含め、一手に引き受けるきくち先生の奥様の手腕は、これまでもたびたび後書きなどで描かれていましたが、本作を読むとあらためてスゴいです。「一升庵のおせんさん」は奥様がモデルになってる部分が大きいんじゃないかしら…と思ってしまうくらい。

「あたりまえのぜひたく。」(きくち正太/幻冬舎)より道具にこだわるものの、「電子レンジは持っていない」というきくち家が、「不便じゃないですか?」という周囲の声に対しアンサーとして提示するのが、25年モノの直径40センチの巨大中華鍋と中華蒸篭(せいろ)。
この2つの道具さえあれば、焼く、炒める、煮る、揚げる、蒸す、温める、なんでもひととおりできる、というのです。

そのひとつが、ふわふわトロトロの中華茶碗蒸し。大きな調理器具にあわせ、直径27センチの大鉢でドーンと5~6人分提供するなんとも豪快な料理です。
※【コマ引用】「あたりまえのぜひたく。」(きくち正太/幻冬舎)より

ここは同じサイズの鍋や蒸篭を用意してチャレンジしたいところですが、今回は作中のレシピの1/2程度にスケールダウンして、手持ちの道具で再現してみることにします。


鶏がらスープ作り方:
まずは茶碗蒸しのキモとなる鶏がらスープを作ります。
作中では詳しく描かれていないのでここは自己流で。
余分な脂と内臓を取り除いた鶏がらをネギ(青い部分)とショウガと一緒に水から煮て、アクをとったら圧力鍋に10分ほどかける(圧力鍋がない場合も、しっかり煮だしたほうがおいしい)。必要な分だけ塩で味をつけ、常温に冷ましておく。


豚バラとねぎを炒める茶碗蒸しの具は超シンプル。
1cm角程度に切ったしゃぶしゃぶ用の豚バラ肉とネギのみじん切りをざっと炒め、醤油で味をつけたもの。

鶏がらスープ+たまご 漉す
割りほぐした卵と常温にした鶏がらスープを混ぜ、漉します。

そそぐ 蒸す
具材を入れた丼鉢に漉した卵液を静かに注ぎ、蒸し器にかけます。

原作レシピは「20~25分で強火で蒸す」となっていますが、サイズダウンして作る場合は火加減が強すぎたようで、卵液が沸騰して食感が悪い仕上がりになってしまいました……。分量を半分にした場合は、蒸し時間も半分程度でいいかと思います。

蒸しあがりこれは二度目の挑戦の成功作。
竹串を刺して、中から透明なスープが出てくればOK。ちょうどいい感じに蒸しあがりました。


細ねぎを薬味に添えて、丼鉢のまま豪快に食卓へ。
すくう2

小鉢
食べた感想:
フルフルの食感のあと、口のなかに鶏がらのスープがあふれだして、作中の言葉を借りるなら「鶏のスープなのか卵なのか分からない」状態。これはもう「茶碗蒸しの形をした飲み物」と言ってもいいかも。
豚バラと白ネギを炒めた具がいいアクセントになって、和食の茶碗蒸しとはまた別の、濃厚なおいしさになっています。
作中の半分ほどのサイズとはいえ、3~4人前くらいの分量でも2人でぺろっと平らげられました。

しかし高い材料なんて何ひとつ使っていないのに、このゴージャス感は何なのだろう。
必要な部分にこだわる、手間をかける、といった美学さえあれば、お金をかけなくても至福の味に出会える。まさに本のタイトルどおりのレシピでありました。

4344027523あたりまえのぜひたく。
きくち 正太
幻冬舎 2015-04-08

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「真夜中ごはん」(イシヤマアズサ)のクリームコロッケサンド

「真夜中ごはん」(イシヤマアズサ/宙出版)のクリームコロッケサンド

縁があって読む機会をいただいた、イシヤマアズサ先生の「真夜中ごはん」。
タイトルどおり、「夜食」をテーマにしたエッセイ&レシピのコミックです。

漫画の料理といえばモノクロの世界で描かれることが当たり前でしたが、この作品はほとんどがカラーページ。読んでいるだけでよだれが出てきそうな料理は、アナログの水彩画をデジタル加工する手法で描かれているそう。リアルでありつつ絵本に出てくるような温かみがあって、ひと目ぼれしてしまいました。

「真夜中ごはん」(イシヤマアズサ/宙出版)より今回は作ってみたのは、第一話に登場するクリームコロッケサンド。
※【コマ引用】「真夜中ごはん」(イシヤマアズサ/宙出版)より

作中では、イシヤマ先生とコロッケの思い出のエピソードも描かれます。
子供のころから通っていた商店街のお肉屋さん。「キツネ色を通りこしてタヌキ色」のまんまるコロッケがお気に入りだったのに、ある日お店に閉店の張り紙が……。
失意の底のイシヤマ先生が、やり場のない気持ちとともに作ったのが、スーパーのコロッケで代用したこのサンドイッチ。イモのコロッケはパンにはさむとパサパサする、という理由でクリームコロッケを使っています。

左で引用したコマをご覧いただいてわかるとおり、大ゴマで描かれた、キツネ色のコロッケサンドは思わず手が伸びてしまいそうなほどそそられます。

コロッケサンドといえば、ちょっと前に「きのう何食べた?」メニューの再現をしましたが、あちらがちょっと贅沢なランチだとすると、今回は本能のままに作って食べる夜食メニュー。シンプルな食べものだけど、バリエーションはさまざまですね。


トーストとコロッケ マヨネーズ
作り方:
作中でも描かれているように、イシヤマ先生は大阪出身。なので食パンはちょっと厚めの5枚切りを使ってみます。
食パンと市販のクリームコロッケをオーブントースターで焼き(作中ではトースター、その間にレタスをちぎっておく。
焼きあがったトーストにはマヨネーズを塗ります。

コロッケにソース 二つ折り
パンにレタス、クリームコロッケを順にのっけて、上からウスターソースをたっぷり(作中ではイカリソースを使っていたけど、残念ながら入手できませんでした…)。
最後に、えいやっと二つに折りたたんで完成。

「真夜中ごはん」(イシヤマアズサ/宙出版)のクリームコロッケサンド
食べた感想:
5枚切りパンを使ったせいもあって、折りたたむと予想以上の厚さに。大口をあけてガブっといきます。
トーストとコロッケのサクサク、レタスのシャキシャキに、もはやとろとろソース状態のクリーム&ウスターソースコンビ。まさに「夜中に食べてはいけない魔のゴハン」です。

流行りの糖質制限ダイエットに手を出したりして、すっかり「炭水化物=後ろめたい」という意識がついてしまったここ最近。このクリームコロッケサンドも、ダブル(いや、トリプル?)炭水化物メニューでちょっとひるみましたが、米よパンよ麺よ、やっぱりキミたちが大好きだ!!と叫びたい気持ち。

しかし普段作る漫画料理はモノクロの絵が元になっていることがほとんどなので、再現後は「おお、こんな色してたんだ」と、自分のなかで「補完できた」満足感があるのですが(出来栄えは別にして…)、今回はどうがんばっても原作のおいしそうなカラー絵には敵いませんでした……。現実では超えられないマンガ飯もあるんだな、と実感。

4776796511真夜中ごはん (Next comics)
イシヤマアズサ
宙出版 2015-03-27

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「深夜食堂」(安倍夜郎)のアサリとキャベツの酒蒸し

「深夜食堂」(安倍夜郎)14巻のアサリとキャベツの酒蒸し

「深夜食堂」14巻(安倍夜郎/小学館)より深夜食堂の最新刊(14巻)から、表紙にも描かれているアサリとキャベツの酒蒸しを作ってみました。
エピソードの主人公、雨女の長崎さんと晴れ男の光井さん、二人が偶然にも同じ注文をしたのがこの料理。マスターいわく評判がよくて、いつのまにか店の定番になった人気メニューのようです。
※【コマ引用】「深夜食堂」14巻(安倍夜郎/小学館)より

アサリと春キャベツ。どちらも春らしさを感じる食材ですが、特に春キャベツは青々としてやわらかで甘くて、冬のキャベツとはまるで別の野菜みたい……と思ったら、実際に別の品種なのですね(知らなかった)。

ふつうの酒蒸しかと思いきや、隠し味にアンチョビを使っていたり、マスターの創意工夫が感じられる点が気になったので、作ってみました。

あさり作り方:
アサリは塩水に1時間ほどつけて砂抜きし、よくこすり洗う。

余談ですが、アサリってこの砂抜きの手間があるので、仕事帰りの夜ごはんにはなかなか使いづらいのがジレンマ。今回、試しに50度のお湯で早く砂出しする方法を試してみたら、ものの5分で完了して感動。貝にはちょっとかわいそうですが^^;

にんにくとアンチョビフライパンに油を入れ、にんにくのみじん切りを入れて弱火にかける。香りが立ったらアンチョビのみじん切りを入れ、軽く炒める。

酒 ふた

できあがりアサリを投入し、ざっと炒めてから日本酒を多めに入れ、フライパンにフタをして貝が開くのを待つ。

貝が開いたらざく切りした春キャベツを入れ、再度フタをして軽く火を通して完成。


「深夜食堂」(安倍夜郎)14巻のアサリとキャベツの酒蒸し
食べた感想:
試してみたかったのは、これをご飯と一緒に食べるシーン。
アサリの酒蒸しはお酒のつまみとして作ることが多くて、そのたびに旨みが凝縮している汁が皿に残っちゃうのが気になっていたのですが、ご飯のおかずにする、というのは目からウロコでした。
食べてみると、あっさりしているのに滋味深くて、まさにアサリのスープご飯。
キャベツの甘みとやわらかい食感は春のキャベツならではで、この季節だけのごちそうといえるかも。

14巻はたまご豆腐をのっけたご飯とか、ナポリうどんとか「ネバネバ」とか、個人的にツボをつかれるメニューが多かったので、これからちょこちょこマネしたいです。

4091870821深夜食堂 14 (ビッグコミックススペシャル)
安倍 夜郎
小学館 2015-04-30

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ドラマ&映画のフードスタイリストをつとめた飯島奈美さんのレシピ本も出てました。おいしそう…!

4091868290深夜食堂の料理帖 (ビッグコミックススペシャル)
飯島 奈美 安倍 夜郎
小学館 2015-01-16

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愛がなくても喰ってゆけます。(よしながふみ)
アオイホノオ(島本和彦)
青みゆく雪(宇仁田ゆみ)
あさひごはん(小池田マヤ)
あさりちゃん(室山まゆみ)
あたりまえのぜひたく。(きくち正太)
アルコール(西村しのぶ)
一緒に遭難したいひと(西村しのぶ)
海街diary(吉田秋生)
うめぼし(小池田マヤ)
おいしい関係(槇村さとる)
美味しんぼ(雁屋哲/花咲アキラ)
大奥(よしながふみ)
おかめ日和(入江喜和)
おせん(きくち正太)
夫すごろく(堀内三佳)
乙嫁語り(森 薫)
オハナホロホロ(鳥野しの)
おはようおかえり(鳥飼茜)
女の子の食卓(志村志保子)
かむろば村へ(いがらしみきお)
鴨の水かき(空木哲生)
カラスヤサトシのびっくりカレー おかわりっ!!(カラスヤサトシ)
きのう何食べた?(よしながふみ)
きりきり亭主人(きくち正太)
銀のスプーン(小沢真理)
クッキングパパ(うえやまとち)
刑務所の中(花輪和一)
げんしけん(木尾士目)
玄米せんせいの弁当箱(魚戸おさむ/北原雅紀)
幸腹グラフィティ(川合マコト)
極食キング(土山しげる)
極道めし(土山しげる)
孤独のグルメ(久住昌之/谷口ジロー)
こどもの体温(よしながふみ)
食キング(土山しげる)
サウダーデ(池辺葵)
サカタ食堂(坂田靖子)
酒場ミモザ(とだともこ)
酒ラボ(宇仁田ゆみ)
颯爽な家政婦さん(小池田マヤ)
三国志
3月のライオン(羽海野チカ)
さんさん録(こうの史代)
深夜食堂(安倍夜郎)
...すぎなレボリューション(小池田マヤ)
すごいよ!!マサルさん(うすた京介)
スパイスビーム(深谷陽)
スーパーくいしん坊(ビッグ錠/牛次郎)
スペースシェフシーザー(Boichi)
すみれファンファーレ(松島直子)
西洋骨董洋菓子店(よしながふみ)
その男、甘党につき(えすとえむ)
それではさっそくBuonappetito!(ヤマザキマリ)
大東京ビンボー生活マニュアル(前川つかさ)
たそがれたかこ(入江喜和)
誰そ彼の家政婦さん(小池田マヤ)
誰も寝てはならぬ(サラ イネス)
ダンジョン飯(九井諒子)
ちぃちゃんのおしながき・繁盛記(大井昌和)
チーズの時間(山口よしのぶ/花形玲)
ちはやふる(末次由紀)
チャンネルはそのまま!(佐々木倫子)
沈夫人の料理人シリーズ(深巳琳子)
天食(泉昌之)
天体戦士サンレッド(くぼたまこと)
どいつもこいつも(雁須磨子)
ドカコック(渡辺保裕)
Dr.スランプ(鳥山明)
ドラえもん(藤子・F・不二雄)
トルコで私も考えた(高橋由佳利)
ドロヘドロ(林田球)
にがくてあまい(小林ユミヲ)
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のだめカンタービレ(二ノ宮和子)
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ハクメイとミコチ(樫木祐人)
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ハチミツとクローバー(羽海野チカ)
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