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2012年05月

福田里香先生・著「ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50」

「ゴロツキはいつも食卓を襲う」先月発売された、福田里香先生の新刊「ゴロツキはいつも食卓を襲う」が大変面白かったので、ご紹介させていただきます。

福田先生はお菓子研究家としてだけでなく、漫画好きとしても著名。

特に最近は、漫画やアニメ、映画などフィクションに登場する食べ物(ステレオタイプフード)を考察した「フード理論」を提唱されていますが、その集大成といえるのがこちらの本。

目次から、「うわー、あるあるある!!」と叫びたくなるタイトルが並びます。

・鼻持ちならない金持ちの子供は、食い意地がはっていて太っている
・絶世の美女は、何も食べない
・カーチェイスで、はね飛ばされるのは、いつも果物屋


具体的にどの作品かは思い出せないのに、誰もの記憶の片隅をくすぐるあのシーンについて、徹底的に考察&分析した労作。
世界各地の神話に共通点があるように、食べ物にまつわるイメージにも集合的無意識っぽいものがあるのかも……と、思ってしまう説得力です。
そんなステレオタイプフードの場面場面を、オノ・ナツメ先生が表現するイラストでも味わえるのがこれまた贅沢!

ちなみに私が最近、これもステレオタイプフードだな…と思ったのは、海外ドラマや映画で、ディナー(それも、彼女の家に彼氏が招かれて食事をする、的なシチュエーション)で気まずい雰囲気になったときに、場を和ませようと家族の誰かが
「マッシュポテトのおかわりはいかが?」
と言うシーン。日本が舞台だと、マッシュポテトの部分が「ご飯」だったり「ビール」だったりするのでしょうか。
これまでの人生で2~3回は見たことがある気がするんですが……(でもやっぱりこれも、具体的にどの作品かは思い出せないんだなー)。

などと、フィクション作品を楽しむ目線が、ちょっと変わってしまいそうな楽しさもあります。

福田先生といえば、「まんがキッチン」も大好きです。
漫画に出てくるお菓子をそのまま再現するのではなく、先生ならではの作品解釈からオリジナルのお菓子が次々と生み出される一冊。お菓子研究家ならではのクリエイティブ+漫画愛があふれていて、ページを開くごとにどんなメニューが登場するのかワクワクします。

特に川原泉作品でおなじみの、何か食べてる時のオノマトペ「もぎゅもぎゅ」をイメージしたお菓子が衝撃的で、思わず作ってしまったことも。
mogyu2.jpg
↑数年前に作った時の写真でお恥ずかしいですが…。そして食感は、たしかにあの「もぎゅもぎゅ」で感動したのでした。
どちらも漫画&料理ファンにはたまらない一冊ですので、ぜひ!

4778313135ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50
福田里香 オノ・ナツメ
太田出版 2012-04-12

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4757213107まんがキッチン
福田 里香
アスペクト 2007-03-22

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「リトル・フォレスト」(五十嵐大介)の塩マスとノビルと白菜の蕾菜のパスタ

「リトル・フォレスト」塩マスとノビルと白菜の蕾菜のパスタ

遠洋漁業の漁師たちが船上でかっこんで食べる捌きたての大トロ丼は、町の寿司屋の味とは比べ物にならない、と何かで読んだことがある。
青森のリンゴ農家には、傷物ゆえに出荷できないけれど糖度が抜群に高い「農家しか食べられないリンゴ」があるという(これは「美味しんぼ」だったかな)。

そんな「食の最前線」にいる人々だけに許された味は、流通がどれほど発達してもスーパーではきっと手に入らない。単なる一消費者の自分は指をくわえて眺めるしかなく、これほど贅沢な食の世界もないと思う。

「リトル・フォレスト」(五十嵐大介/講談社)2巻より五十嵐大介先生の「リトル・フォレスト」には、そんな宝物のような山村の食材がゴロゴロと登場します。だから再現するには敷居が高いメニューも少なくありません。

春先のエピソードに出てくる「塩マスとノビルと白菜の蕾菜のパスタ」もそのひとつ。
ありあわせの季節の野菜を使って作った、いち子の特製パスタ。
※【コマ引用】「リトル・フォレスト」(五十嵐大介/講談社)2巻より

「リトル・フォレスト」(五十嵐大介/講談社)2巻より塩マスとノビルは通販などで何とか手に入ったのですが、問題はこの「白菜の蕾菜」。
作中によると、冬の間畑で放っておいた白菜が、春先に茎を伸ばして蕾をつけたものだそう。いわば白菜のオマケ的な存在で、調べた限りではコレを市販しているところは皆無。農家で食べているところもあるようなのですが……。

菜の花に似ているそうなので、代用しようかなー、と諦めかけていたところ、実家の祖母が白菜を作っていたのを思い出して連絡してみた。
すると「4月になれば採れるかも」とのことで、無事送ってもらえたのでした(ありがたや)。
ちなみに近所にも蕾菜ファンはいるらしく、「本体の白菜より好き」という声もあるとか……。
※【コマ引用】「リトル・フォレスト」(五十嵐大介/講談社)2巻より

白菜の蕾菜
これがその白菜の蕾菜。
ほんとに菜の花にそっくりで、ところどころに黄色い花も見えます。

ノビル
こちらは取り寄せたノビル。辛みのあるネギ、といった味。根っこの部分はらっきょう or エシャロットっぽくもある。

ノビル2 蕾菜2
ノビルはざく切りに。蕾菜は洗っておく。

塩マス塩マスはグリルで焼いて、身をほぐしておく。

皿あたためるパスタ用に湯をわかし、鍋に菜箸を渡して皿を温めておく。
これも作中にあったシーンだけど、この丁寧な描写が毎度好き。

ソースつくるフライパンに油を入れて熱し、ざく切りしたノビルをさっと炒め、塩マスのほぐし身、パスタの茹で汁を加えてよくなじませ、ソースを作る(お好みでしょうゆを足してもいいかも)。

蕾菜投入パスタはゆであがり1分前くらいに蕾菜を加える。

あわせるパスタ&蕾菜の湯を切って、フライパンのソースとよくあえ、塩コショウ。


温めておいたさらに盛る(MOCO様風にここで追いオリーブしても)。
塩マスとノビルと白菜の蕾菜のパスタ
食べた感想:
ノビルのピリっとした辛さに、焼きマスの塩気。春の山の味がそのまま詰まったようなパスタでした。
白菜の蕾菜は、苦みのない菜の花、といった味で、これはファンがいるのもわかる。どうして市販されないんだろう!(でも白菜を収穫せずにそのままにしないと採れないんだから、やっぱり大量生産するには効率悪いのかな…)

「リトル・フォレスト」の作りたいけど作れないシリーズといえば、あずきスコーン&マフィンもそのひとつ。
もちろん普通の小豆で作ってもいいんだけど、完熟前の「未熟な小豆」で作るそれはどんな味なのか、気になって気になって……!


※いただいたコメントへの返信、またも遅れ気味で申し訳ありません。。。
ひとつひとつ大変励みになっております。ありがとうございます。

406337582Xリトル・フォレスト(2) (ワイドKCアフタヌーン)
五十嵐 大介
講談社 2005-08-23

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「すみれファンファーレ」(松島直子)のコンテスト用お弁当

「すみれファンファーレ」弁当

読んだ瞬間から心をグワシと掴まれてしまったマンガ。IKKIで連載中の松島直子先生「すみれファンファーレ」に登場するコンテスト用のお弁当を作ってみました。

離婚した母親と二人暮らしの小学四年生、すみれちゃんはドラマ「相棒刑事」とハリポタが大好きな女の子。小説家になるのが夢で、そのせいか子どもらしい純粋さとともにちょっと大人びた感性も持っていて、そこがたまらなくかわいい。
IKKIのサイトで1話の試し読みができますが、冒頭の作文のみずみずしさからキュンとしてしまう。

「すみれファンファーレ」(松島直子/小学館)1巻よりお母さんはイタリア料理店のシェフで、作中にはおいしそうな料理が何品も登場しますが、今回はすみれちゃん自身が料理に挑戦するエピソード。
「料理人」という仕事に興味を持ち、内緒でガス団体主催の弁当コンテストに参加することになったすみれちゃん。家庭教師の片桐青年にも協力してもらい、母親の大好物をもとに献立を考えます。

※【コマ引用】「すみれファンファーレ」(松島直子/小学館)1巻より

「すみれファンファーレ」(松島直子/小学館)1巻よりそこでできあがったのが、
・ハーブ香る〆鯖風フライ(2種類のソースつき)
・あな玉オムレツ
・かんたんピクルス
・究きょくのふっくらごはん

の献立。母親の好物をもとに、予算や手間の点も考えて組み立てられたお弁当。
献立を決めるまで試行錯誤する丁寧な描写が、またよいのです。
※【コマ引用】「すみれファンファーレ」(松島直子/小学館)1巻より

しかし料理デビューが遅かった自分からすると、ここまで凝った献立作れるすみれちゃんってすごいなー、と思ってしまったのですが、最近のリアルこども料理コンテストもおそろしくハイレベルなことになってるんですな。一生勝てる気がしません。アンファンテリブル……!


さて、一品ずつ作ってみます。
ピクルスかんたんピクルス:
今回はプチトマト、ニンジン、きゅうり、かぶ、カラーピーマン、玉ねぎで作ってみます。
野菜は適当に切る(プチトマトはおしりに十字切り込み入れておく)。
小鍋に酢、砂糖、塩、鷹の爪、ローリエを入れて沸騰させ、野菜を入れた耐熱容器の上に注ぐ。2~3時間ほど漬けこんだら完成。

オーブンで焼くあな玉オムレツ:
「うな玉」ならぬ、あなごを使った卵料理。彩りをよくするため、家庭菜園のシソも入れるというこだわり。

ボウルに卵4個、砂糖、酒、しょうゆを混ぜ、刻んだあなごとシソを入れてよく混ぜる。
オーブン対応のミニフライパンに流しいれ、180度で30~40分焼く(焦げそうになったら途中で上にアルミホイルをかぶせる)。

焼き上がり あなごオムレツ
焼き上がりはこんな感じ。シソが上に浮いちゃって、あなごと二層に分かれちゃったのはちょっと誤算。

サバハーブ香る〆鯖風フライ:
メインディッシュは、お母さんの好物・〆鯖をイメージしたメニュー。〆鯖は高いので、鯖フライに別添えの酸っぱいソースをつけて食べる、というもの。

鯖(3枚おろしのはずが、間違えて2枚おろしのを買っちゃったので、骨抜きの手間がかかってしまった…)は一口大に切り分け、塩コショウをして小麦粉を薄くはたいておく。

ハーブパン粉刻んだハーブ(今回はバジル、タイム、ディル)とパン粉をあわせておく。

サバ2 サバ3
溶き卵→ハーブ入りパン粉、の順で鯖に衣をつけて揚げる。

ソース1 ソース2
「酸っぱいソース」は詳しい説明がないので迷ったけど、①王道のタルタルソース ②上で作ったピクルスを刻んで酢&しょうゆであえたソース で作ってみた。

土鍋でご飯 おこげ
究きょくのふっくらごはん:
土鍋で炊くおいしいごはん。作中のとあるトラブルで出来ちゃった「おこげ」を再現するため、火は調整を。
まんまるにまとめて塩むすびにします。

どうしてもすみれちゃんが使ってる竹のお弁当箱がほしくて、取り寄せてしまった……。もうわが家の台所の収納空きスペースはゼロよ!
「すみれファンファーレ」弁当

お弁当の再現って、やっぱりプラモデルっぽくて楽しい。

「すみれファンファーレ」弁当
食べた感想:
魚に卵、野菜と献立のバランスも見た目の彩りもステキなお弁当。
あな玉オムレツはしっかりしたスペインオムレツ風で、甘辛い味付けとシソの香りがなかなかいい感じ。こういう卵焼きもたまには面白いかも。

〆鯖風フライは、パン粉にハーブをたくさん入れたせいか、鯖の生臭さがまったく気にならず。「〆鯖風」かは微妙ですが、単品でもお気に入りになりそうなメニュー。

家人にも持たせたら、いつもの弁当よりも絶賛されました(当たり前か)。すみれちゃん、おそるべし!

4091885799すみれファンファーレ 1 (IKKI COMIX)
松島 直子
小学館 2012-03-30

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愛がなくても喰ってゆけます。(よしながふみ)
アオイホノオ(島本和彦)
青みゆく雪(宇仁田ゆみ)
あさひごはん(小池田マヤ)
あさりちゃん(室山まゆみ)
あたりまえのぜひたく。(きくち正太)
アルコール(西村しのぶ)
一緒に遭難したいひと(西村しのぶ)
海街diary(吉田秋生)
うめぼし(小池田マヤ)
おいしい関係(槇村さとる)
美味しんぼ(雁屋哲/花咲アキラ)
大奥(よしながふみ)
おかめ日和(入江喜和)
おせん(きくち正太)
夫すごろく(堀内三佳)
乙嫁語り(森 薫)
オハナホロホロ(鳥野しの)
おはようおかえり(鳥飼茜)
女の子の食卓(志村志保子)
かむろば村へ(いがらしみきお)
鴨の水かき(空木哲生)
カラスヤサトシのびっくりカレー おかわりっ!!(カラスヤサトシ)
きのう何食べた?(よしながふみ)
きりきり亭主人(きくち正太)
銀のスプーン(小沢真理)
クッキングパパ(うえやまとち)
刑務所の中(花輪和一)
げんしけん(木尾士目)
玄米せんせいの弁当箱(魚戸おさむ/北原雅紀)
幸腹グラフィティ(川合マコト)
極食キング(土山しげる)
極道めし(土山しげる)
孤独のグルメ(久住昌之/谷口ジロー)
こどもの体温(よしながふみ)
食キング(土山しげる)
サウダーデ(池辺葵)
サカタ食堂(坂田靖子)
酒場ミモザ(とだともこ)
酒ラボ(宇仁田ゆみ)
颯爽な家政婦さん(小池田マヤ)
三国志
3月のライオン(羽海野チカ)
さんさん録(こうの史代)
深夜食堂(安倍夜郎)
...すぎなレボリューション(小池田マヤ)
すごいよ!!マサルさん(うすた京介)
スパイスビーム(深谷陽)
スーパーくいしん坊(ビッグ錠/牛次郎)
スペースシェフシーザー(Boichi)
すみれファンファーレ(松島直子)
西洋骨董洋菓子店(よしながふみ)
その男、甘党につき(えすとえむ)
それではさっそくBuonappetito!(ヤマザキマリ)
大東京ビンボー生活マニュアル(前川つかさ)
たそがれたかこ(入江喜和)
誰そ彼の家政婦さん(小池田マヤ)
誰も寝てはならぬ(サラ イネス)
ダンジョン飯(九井諒子)
ちぃちゃんのおしながき・繁盛記(大井昌和)
チーズの時間(山口よしのぶ/花形玲)
ちはやふる(末次由紀)
チャンネルはそのまま!(佐々木倫子)
沈夫人の料理人シリーズ(深巳琳子)
天食(泉昌之)
天体戦士サンレッド(くぼたまこと)
どいつもこいつも(雁須磨子)
ドカコック(渡辺保裕)
Dr.スランプ(鳥山明)
ドラえもん(藤子・F・不二雄)
トルコで私も考えた(高橋由佳利)
ドロヘドロ(林田球)
にがくてあまい(小林ユミヲ)
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