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2011年11月

「路地恋花」(麻生みこと)のお茶の佃煮と鯛の昆布締め

お茶の佃煮 鯛の昆布締め

京の路地の長屋に暮らす、若き職人たちの恋もようをオムニバスで描いた「路地恋花」。製本職人、銀細工職人、キャンドル作家……とさまざまな職人が登場します。麻生みこと先生の淡麗なタッチの絵と、はんなりした京ことばのセリフ、ロマンティックなストーリー。読むと「トリップ」できるマンガのひとつです。

「路地恋花」(麻生みこと/講談社)3巻より最新刊の3巻には、京都らしいおばんざいが登場するエピソードがあります。
美容院を営む慎吾に、手作りのおそうざいをたびたび差し入れてくれる、長屋の大家さん。近所の花屋の一松は「それは気があるから」とけしかけ、慎吾も年配の大家さんを異性として意識するようになり……というお話。

ここに登場する3つのおばんざいが、どれもユニークでおいしそう。
煎茶を炒り煮した「お茶の佃煮」、刺身の残りを使った「鯛の昆布締め」、古くなった沢庵を煮た「贅沢煮」。いずれも、食材を無駄にしない京の精神があらわれている料理です。
※【コマ引用】「路地恋花」(麻生みこと/講談社)3巻より

「路地恋花」(麻生みこと/講談社)3巻より特にお茶の佃煮は、「ものすごええお煎茶の香りする……」というセリフからしても、どんな味なのか気になる! これと鯛の昆布締めを作ってみることにしました。

沢庵の贅沢煮は、古い沢庵が手に入らず今回は断念(実家で今度もらってこようかな…)。
そういえば、「エスパー魔美」にもパパの好物として「たくあんの煮物」が登場したけど、これとよく似てますね。調べてみたら、京都だけでなく、藤子先生の出身地・富山でもメジャーな料理らしい。意外な共通点にちょっとびっくり。
※【コマ引用】「路地恋花」(麻生みこと/講談社)3巻より

煎茶の出がらお茶の佃煮:
煎茶の出がらしを用意します。
私は3~4回淹れたあとの出がらしにしました。
香りを強めに残すなら1~2回淹れたものがよさそうですが、苦みも強く出るのでそのへんはお好みで。

ちりめん山椒あとの材料はじゃこと山椒。生の山椒がどうしても見つからず、今回は「ちりめん山椒」で代用。これなら両方補えますしね。

お茶と日本酒をフライパンにお茶の出がらしをフライパンに入れ、日本酒をひたひたになるまで注ぎ、中弱火で炒めます。

じゃこと醤油投入水分が減ってきたら、ちりめん山椒と醤油を加え、焦げないように弱火にしてじっくり炒めます。

水分がなくなるまで炒める水分がなくなるまで炒めたら、完成。


昆布を酢水につける鯛の昆布締め:
昆布はキッチンペーパーなどで汚れを落とし、水で薄めたすし酢に5分ほど漬けてやわらかくしたあと、水分をふきとります。

鯛をのせる薄く切った鯛の刺身に軽く塩を振り、昆布の上に乗せ、上からもう一枚昆布をかぶせます。

ラップでくるむラップできっちりくるみ、冷蔵庫で1時間ほど置いて完成。


おばんざい2品、できました。
路地恋花 お茶の佃煮 鯛の昆布締め

お茶の佃煮
食べた感想:
佃煮は、言われなければ「お茶の葉で作った」とは気づかないほど、ごく自然なさっぱりした味で、ご飯にもちゃんとあいます。
薄くなった出がらしを使ったので、思ったより強くはありませんが、それでもほんのり煎茶の香り。今度は思い切って玉露とか、「いいお茶」で作ってみようかな。

今回は作中の説明に従って、日本酒と醤油のみで仕上げましたが、調べてみるとみりんや砂糖を加えるレシピもあるよう。そちらのほうが、より佃煮っぽく仕上がるかもしれません。

鯛の昆布締め
お次は昆布締め。面倒なイメージがあったんですが、作ってみると意外に簡単。
昆布にはさんだだけで、こんなに刺身の「うまみ」が増すなんて。グルタミン酸の働きってすげー、と感動します。白身の刺身は、醤油よりもこうやって食べるほうが好きだな。

食材を余らせることなく、効率よく「始末」して食べるのが京都人。もしかしたらそれは、京都に限らない昔の日本の食のあり方だったのかもしれませんが、単なる「ケチ」や「節約」ではない美学がそこにはあるよなあ…と思うのでした。

4063107728路地恋花(3) (アフタヌーンKC)
麻生 みこと
講談社 2011-09-07

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▽京都マンガといえば、こちらもオススメ
酒場ミモザ(とだともこ) ・ おはようおかえり(鳥飼茜)

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「めしばな刑事タチバナ」(坂戸佐兵衛/旅井とり)の熱々やきとり冷製ジュレがけ

めしばな刑事タチバナ 熱々やきとり冷製ジュレがけ

今年読んだグルメ系のマンガで、現状一番好きなのが、この「めしばな刑事タチバナ」。テーマはB級グルメですが、「作る」のではなく「語る」部分に焦点を置いてるのが特徴です。

取り上げられるのは、牛丼チェーン、袋入りラーメン、餃子の王将、天下一品……と、庶民のツボをつくお店や商品ばかり。そしてその語りっぷりが、ハンパなくディープで面白い。B級グルメにはある程度詳しい、と自負していた自分も初耳のウンチクが満載で、その取材力に驚きました。さすが「アサ芸」連載。
「めしばな刑事タチバナ」(坂戸佐兵衛/旅井とり/徳間書店)3巻より最新刊の3巻では、ウンチクだけでなくついにオリジナルレシピ(?)も登場。

やきとり缶の王者ブランド「ホテイのやきとり」について、「たれ派」か「塩派」かでモメるなか、タチバナはその最大の魅力を「ゼラチン」だと言い切ります。ただ、缶を湯せんして温めたやきとり缶のうまさも捨てがたいもの。

※【コマ引用】「めしばな刑事タチバナ」(坂戸佐兵衛/旅井とり/徳間書店)3巻より

「めしばな刑事タチバナ」(坂戸佐兵衛/旅井とり/徳間書店)3巻よりその両方を味わえる食べ方が、「熱々やきとり冷製ジュレがけ」。

やきとり缶の肉を串に刺して熱々の「焼き鳥風」にし、残ったタレを冷蔵庫で冷やしてゼラチンの食感が楽しめるソースにする……というもの。
簡単そうなので、晩酌時にさっそく挑戦してみることに。作中では「たれ」のみでしたが、せっかくなので「塩」と2種類作ってみます。
※【コマ引用】「めしばな刑事タチバナ」(坂戸佐兵衛/旅井とり/徳間書店)3巻より

ホテイのやきとりさて、ひさびさにご対面したホテイのやきとり缶。側面に描かれたおなじみの味のあるオジさんのイラストは、漫画家のおおば比呂司氏によるものだそう。(3代目おたべちゃんもこの方なのね~)

スーパーやディスカウントストアにも置いていますが、最近は一番よく見かけるのって、コンビニかもしれない。

つまようじこの、缶の裏に付属している爪楊枝も心にくい。

2巻でタチバナが「新幹線で一杯やりつつ、この爪楊枝で焼き鳥をツンツンすると興奮する」と語っていますが、その気持ちわかる! 今度新幹線に乗るとき、絶対試す。ビールよりウイスキーでやりたいな。

湯煎する作り方:
缶をあけて、水を張った鍋orフライパンに入れ、火にかけて湯せんします。ゼラチンが溶けるまで、わりと時間がかかります。

缶の中身が温まったら、肉を取り出して串に刺します。1缶につき2本作れるらしい。肉がわりとモロいので、串に刺すのに苦労する……。

「世界経済が大変なときに、こんなことしてていいんだろうか」と一瞬我にかえりましたが、とりあえず食べてから考えることにして、先に進みます。

冷蔵庫で冷やす残った缶のタレは、ラップして冷蔵庫で1時間ほど冷やします。
この際重要なのが、テレビでも見て、いったん「自分が何をやっているかを忘れること」。

待ち時間で期待しすぎると、頭の中で味が再現できてしまってお楽しみがなくなるから……ということらしい。なんとなく、わかる気がするけど、こんな精神面にまでアドバイスしてくれるグルメ漫画が、ほかにあったでしょうか……。

ジュレかける串に刺した肉をトースターで温め、冷えてゼラチン状に戻ったタレをスプーンですくって盛り付けます。

仕上げに山椒や七味を振ってもOKらしい。


たれ味バージョン。
熱々やきとり冷製ジュレがけ(たれ)

塩味バージョン。
熱々やきとり冷製ジュレがけ(塩)

食べた感想:
串焼きの熱でジュレがすぐに溶けてしまうので、温度差を楽しむならすぐ食べるべし、だそう。

味のほうは正直、まんまいつもの「ホテイ」が串になって食べやすくなっただけ!! という感じなのですが、一度缶のイメージを取っ払って「焼き鳥」として食べてみると、 そこはホテイ、しっかり「炭焼き」の味もして濃厚でお酒がすすみます。
「塩」は味のごまかしが効かないので、やっぱり「たれ」のほうが、こういうジャンクっぽい料理には合うかも。

しかしここまで手を加えちゃうと、「缶もの」としてのアイデンティティーがアヤしくなってきますね。タチバナも「何度もやるもんじゃない」と言っていますが、やっぱり缶のまま爪楊枝でつつきながら食べてこそだなあ、と思うのでした。

419780508Xめしばな刑事タチバナ 3 (トクマコミックス)
坂戸 佐兵衛 旅井 とり
徳間書店 2011-10-08

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