マンガ食堂 - 漫画の料理、レシピを再現 -
マンガの料理(漫画飯)を再現するブログ。普段の料理の範囲でできるメニューに挑戦してみます。
東海林さだおのローストビーフ(真砂風)

西荻窪の「真砂」といえば、ちょっと昔の東海林さだお先生のエッセイによく登場していたお店。先生の仕事場近くの行きつけの店として、ファンとしては聖地的な存在だったんですが、「いつか行こう」とボヤボヤしてるうちに、閉店してしまったようですTT
地元でも知られた店だったのか、やまだないと先生の「西荻夫婦」のなかでも、正月の集まりに真砂のローストビーフを用意するシーンが出てきます(右図)。このローストビーフが独特で、うすーーーく切って、特製ソースでしゃぶしゃぶ風にして食べる、というものだったらしい。残念なことにもう本物は食べられませんが、「ショージ君の『料理大好き!』」に、真砂の店主が教授するレシピが載ってるんです。
わりと手間がかかりそうだったので、時間のある週末にチャレンジしてみました。
作り方(ソース編):1.牛か豚の骨を1本用意します。お肉屋にちょうど「ゲンコツ」というスープ用の牛骨が置いてたので、それを使ってみることに。今回すごいゴツいものを選んでしまいましたが、細めの骨ほうが調理しやすいと思います; あと髄が見えないようなら、のこぎりで半分に切断するとよいそうな。
2.玉ねぎ、セロリ、ニンジン、ニンニク、エシャロットをざく切りします。
3.(1)の骨をざっと炒め、(2)の野菜を投入して20分ほど炒め続けます。ちょっとコゲついてきますが、ノープロブレムだそうです。
4.1リットルの水、パセリ、ローリエを投入し、1時間半ほど煮詰めていきます。
5.ザルの下にボウルを敷き、ソースを漉します。すりこぎなどで突いて、ザルに残った野菜からもソースをとります。
6.ソースを別の鍋にあけ、コンソメ、タイム、オールスパイス、黒コショウ、ワインなどで味付けして完成。一時間半も煮込むと、さすがに量が減りますねー。もうちょっと煮詰める時間を短くしてもよかったかも。
作り方(肉編):お次は肉編(ソース作りと平行して進めたほうが効率よさげです)。
1.オールスパイス、タイム、ニンニクのすりおろし、塩コショウ、サラダ油を混ぜます。
2.ローストビーフ用の肉に菜箸などでぐさぐさと貫通しない程度に穴をあけ、(1)のオイルを注入します。本ではケチャップ容器でやってましたが、家にあった生クリーム用しぼりグッズで代用してみました。
3.残ったオイルは肉にまんべんなくすり込みます。ここで1日寝かせたほうがいいらしいので、その通りにしました(力尽きたともいうw)。
4.いよいよ肉を焼きます。本のなかでは中華鍋と餅焼き網で蒸し焼き風にしてましたが、先生もちょっと苦労してる感じだったので、今回は普通にオーブンで仕上げます(失敗したら勿体ないしorz)。室温に戻した肉を、フライパンで表面に焼き目をつけるように焼きます。
5.160度に予熱したオーブンで、15分程度焼きます。途中で金串などを刺して、中心が生暖かいようならOK。
6.肉汁を落ち着かせるため、アルミホイルに肉をくるんで30分ほど放置。
7.仕上がりを確認。ナイスピンク! あとは切るだけですが、ここが肝心。通常よりもかなり薄く、2ミリ程度にスライスしていきます。切りにくければ、一度冷蔵庫で冷やしてからのほうが肉が締まってやりやすいかも。でも基本は形なんて気にせず、ボロくなってもとにかく「薄く」!!を厳守します。
皿に肉を並べ、熱したソースをたっぷりビショビショにかけ、仕上げにすりおろしたホースラディッシュ(生ものがなかったので、今回はチューブ製品で代用)をのせて完成。

食べた感想:嗚呼、あのずっとあこがれてた真砂のローストビーフが目の前に……。としばらく感慨にふけりました。
味ですが、いうまでもないっす。うまい、うますぎるTT ワインにあいすぎです。
「皿上のシャブシャブ」という真砂店主の説明どおり、普通のローストビーフとは全然ちがうおいしさ。試しに厚めに切ったものと食べ比べましたが、やっぱり薄いほうがソースによくからんで美味。むしろ薄ければ薄いほどよい気がする。あと、肉はやっぱり一日寝かせて正解だったかも。時間が経っても中までしっとり柔らかくて、翌日バゲットにはさんで食べたらうっとりでした。
本のレシピよりも少なめの量で作ったんですが、すぐ食べきってしまったので、もっと大きい肉にすればえがった……。
「肉はできるだけ薄く切る」「ソースはあっさり目の味付けで量たっぷり」という点さえ守れば、簡易版で作っても十分美味しいと思います。また作るぞーー。

東海林さだおの銀火丼

この時期、生サンマと戻りガツオが同時に魚屋に並ぶので、毎回どっちを買うか迷って店の前で悶々としてしまいます(脂がギトギトにのった魚ラブ子)。で、今回は僅差でカツオが勝ったので、「ショージ君の『料理大好き!』」に載ってた「銀火丼」を作ってみることに。「銀火丼」とは、マグロのかわりにカツオで作る鉄火丼。「鉄」より数倍美味しいという意味をこめて名付けたそうな。さだお先生の自信のほどがうかがえます。
作り方は、カツオのサク(背側がいいらしい)を3ミリほどに薄切りし、1:3の出汁としょう油、さらに酒・味の素を少々入れた容器のなかに15分ほどつけ込み、針ショウガと刻み海苔と一緒に、熱々のご飯の上の並べるだけ。しかし海鮮丼って、火使わないから仕事帰りでもさくっと作れるし、プチ贅沢な気分になれるし便利メニューですよね。
食べた感想:
確かにこれはマグロに負けてません。薄く切ったカツオがしっかり漬けダレを吸って、ご飯がすすむー。寿司だとネタは厚いほうがうれしいけど、丼モノはこうやって薄切りを敷き詰めて食べる方がおいしいんだなあ。次回はさっぱりした初鰹で試してみようかな、と思いました。

東海林さだおの鳥のたたき&ホーレン草の腐乳いため

宅飲みの際に、『ショージ君の「料理大好き!」』に載っていたメニューを試してみた(この本、レシピ本としてたまに活用してるので、だいぶ汚れてきた……)。西荻窪の「鳥源」店主指南の鳥のたたきと、3分クッキングとして登場するホーレン草の腐乳いための2種。
鳥のたたき編:「たたき」というより、ほぼ鶏刺しに近い調理法のよう。ささみをさっと湯通しして薬味をのっけるだけですが、本書によると「たったそれだけのはずはない。もっとなにかしたにちがいない。」と思えるくらい、複雑なおいしさになるらしい。
ささみの筋をとり、厚みのある部分に火が通りやすいように切れ目を入れておく。熱湯で表面の色が変わる程度にさっと湯がいたら(5、6秒でいいらしい)、氷水にしばらくつける。しっかり冷えたら、5ミリ程度に薄切りし、上にネギとシソのみじん切り、あさつき(あれば)、ショウガを乗せ、醤油を一回しして完成。
実は今回シソを買い忘れたので、薬味はネギとショウガだけorz が、じゅうぶん美味しかった! 食べるときによく混ぜるんですけど、これが「複雑な味になる」秘訣なのかなーと思いました。韓国風にごま油とか足してもよさそう。ホーレン草の腐乳いため編:
「豆腐の塩からとでもいうべきしろもので、独特の恐ろしい臭いがし、そこのところが好きな人にはたまらなく、嫌いな人にはたまらなくいやという一種の珍味である」と説明されていた、腐乳という調味料(カルディとか、輸入食品の店でわりと手に入ります)。一体どんな恐ろしいものなの……とビクつきながら開封しました。


←開封後がこちら。おお、思ったほど臭くない。というか、金山寺味噌の匂いに似てるー。東海林先生はご飯と一緒に食べてもいける、と書いてたけど、確かにアリかもしれない。
これを、ニンニクのみじん切り、ざく切りしたほうれん草と一緒に炒めるだけ。腐乳のおかげで、中華料理店で食べる「青菜の炒め物」のような、いつもよりちょっとプロっぽい味に仕上がったかも。どっちもぱぱっと短時間でつくれるので、ちょっとつまみが欲しいときに便利なレシピでした。
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有紀 寧記麻辣腐乳

東海林さだおの簡単チャーシュー

数ある東海林さだお先生のレシピのなかで、多分一番有名で、一番作ってみたくなる料理じゃないでしょーか。肉と醤油だけで作る簡単チャーシューにチャレンジしてみました。目黒の田丸というラーメン店のチャーシューをヒントにしたこのレシピ、これ以上ないほどシンプルなのに「茹でて醤油につけただけ」とは思えない味になるそうです。作る前から期待が高まりまくりんぐ。
肉の部位は何でもいいみたいなので、今回はチャーシュー用として売られてた豚肩ロースの塊を用意。肉の塊って、そこにあるだけで気持ちが豊かになりますな。
鍋に湯を沸かし、沸騰したら肉を入れ30分ほど茹でます(串を刺して肉汁が透明ならOK)。この段階で「そういえば冷蔵庫にネギの青い部分とか、生姜とか余ってたな……」と思い出し、一緒に茹でたくなりましたが、あくまでも今回はシンプルに徹するっちゅーことで、ぐっとこらえます。
茹でた肉を醤油に漬け込みます。醤油を景気よくドボドボ使うとき「このまま死んでしまいたい」という気持ちになる……という描写は、貧乏性の人間としてすごいよくわかりますw そこはさすが東海林先生、カットしたペットボトルのなかで漬ければ醤油の量を節約できるというアイデア付き。ちょうどいい大きさのペットボトルがあったので、それに倣ってみました。それでも、わりと使っちゃいましたけどね>醤油
20分くらい漬けたら味見して、お好みのしょっぱさになったら引き上げます。味見するときは端っこじゃなくて、思い切って真ん中を食べるべし、だそうです。
食べた感想:
確かに、ラーメン店で食べるチャーシューと比べても遜色ない出来! もちろんシンプルな味には違いないけど、肉と醤油だけでここまで仕上がるんだ〜、とちょっと感動。
チャーシューって、そのまま食べて良し、ラーメンや冷やし中華の具はもちろん、炒飯とかおにぎりの具にも使えるので、作り置きしておくと便利ですよね。こんな簡単に作れるなら、常備菜としてかなり優秀かも。
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東海林さだおのオイルサーディン丼

丸かじりシリーズの文庫版最新刊「おでんの丸かじり」に載ってた、オイルサーディン丼がおいしそうだったので作ってみました。テーマは「塩味の丼」だそうです。確かに醤油やソース味の丼はあっても、塩味の丼ってあんまり見かけないですよね。オイルサーディン丼のレシピもいくつかあるけど、やっぱり醤油ベースのものがほとんどな気がします。
作り方は、1.オイルサーディン缶のフタをあけて直接火にかけて熱する(気をつけないと缶の中の油がはねます)
2.玉ねぎと卵の白身のみじん切りをご飯の上に敷く
3.オイルサーディンを2の上にのせる
4.上からカイワレとカリカリ梅をきざんだものをトッピングして完成
といたってシンプル。類似のメニューがないせいか、味の想像がつきにくい組み合わせですね〜。

食べた感想:
東海林先生は食べたものの味について、すごくリアルに丁寧に書くのが特徴ですが、今回もそう。私のつたない感想よりはそのまま本文を引用した方が100倍伝わりそうですわ。
――鰯くささに磯の香りが加わり、梅干しコリコリ、玉ねぎショリショリ、カイワレ菜シャリシャリ、(中略)カツ丼のこってり濃厚の対極に位置するさっぱりの極みの塩味丼の何というおいしさ、何というさっぱり感。
梅干しは最初、カリカリ梅じゃなくて普通のでもいいかな?と思ったけど、食べてみたらこれはこの食感でないとおいしさ半減かも。
塩味丼もなかなかいける……と思いつつどうしてもガマンできず、後半は醤油をちょろっとかけて食べちゃいましたw 「魚に醤油」はやっぱ日本人のDNAレベルに染みこんでる組み合わせかもしれない。
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