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マンガ食堂 - 漫画の料理、レシピを再現

「颯爽な家政婦さん」(小池田マヤ)ライ麦のスコーン&カリフラワーとプチトマトのモンドールグラタン

「颯爽な家政婦さん」のライ麦のスコーンとモンドールチーズのグラタン

「颯爽な家政婦さん」(小池田マヤ/双葉社)よりモンドールチーズが出回っているうちに紹介したいと思っていたのだけど、間に合うかな、どうかな。

前回クスクスを再現した、小池田マヤ先生の家政婦さんシリーズ最新作「颯爽な家政婦さん」から、別のメニューを再現。
ライ麦のスコーンとモンドールチーズのグラタンです。
※【コマ引用】「颯爽な家政婦さん」(小池田マヤ/双葉社)より

「颯爽な家政婦さん」は2つの中編で構成されていますが、この料理が登場するのは前半の「お玉杓子定規」のエピソード。

優秀な家政婦から玉の輿にのった伝説の「Sランクの沖さん」。その娘、多賀恵は母にあこがれて同じ家政婦の道を歩むが、杓子定規な性格が災いして、派遣先を何度もクビになっている。

そんな彼女の研修講師として呼ばれた、Sランク家政婦・里。当初は里の破天荒なやり方に反発しつつ、多賀恵は次第に家政のサービスとは何かを学んでいく。

実際、これまでの家政婦さんシリーズのなかでも、里のプロフェッショナルぶりが鮮やかに描かれていて、お仕事漫画としての面白さも抜群のエピソードです(ワインボトルの洗い方とか、さっそくマネしてる)。

ラストでは、里と多賀恵のプライベートでの意外な接点が明らかになり、2人は女友だちとしてささやかな飲み会を開きます。そこで登場するのがこのメニュー。
モンドールチーズはフランスでも8月中旬から3月中旬の間でしか生産されないらしく、チーズファンはこの季節を楽しみにしているんだとか。


モンドールチーズ
こちらがモンドールチーズ。近所のワインショップで、ちょっと値引きされて3000円くらいでした。
しゃれおつな食材を前にすると、「おフランスからこんな極東の片田舎にわざわざおいでなすって……(もみ手)」とへりくだった気持ちになる私。

モンドールチーズ(食べかけ)
いきなりグラタンに取りかかるわけじゃありません。まずは第一フェーズ。
チーズの上部の皮をくりぬいて、パンや野菜をなかのトロトロのチーズにディップして心ゆくまでもしゃもしゃ。ウォッシュタイプなのでわりとクセはありますが、カマンベールのにおいが大丈夫な人ならハマるはず。

モンドールチーズに白ワイン モンドールチーズに白ワイン2
次の日に第二フェーズ。
残ったチーズに白ワインとみじん切りしたニンニクを加え、木箱ごとアルミホイルに包んでオーブンへ。

モンドールチーズに白ワイン3
即席チーズフォンデュにトランスフォーム。これで再びパンや野菜をディップしていただきます。ワインと一緒にいつまでも食べられるけど、第三フェーズ用にある程度は残しておかなければ。

モンドールの残りにカリフラワーとペンネ モンドールの残りにプチトマトとパン粉
カリフラワーとプチトマトのモンドールグラタン:
ようやく真打。最後はグラタンで〆ます。
残ったチーズにカリフラワーとプチトマト、茹でたマカロニをからめ、生クリームをそそぐ。パン粉と黒コショウをたっぷりふって、250度のオーブンでこんがり焼いて完成。

モンドールチーズのグラタン

材料ライ麦のスコーン:
これにあわせるのは、ライ麦のスコーン。
巻末にクロワッサンスコーンのレシピが掲載されていますが、今回はそれをもとに、作中で描かれているのにあわせて丸いスコーンを作ります。

フードプロセッサー バターをフードプロセッサーに
フードプロセッサーに薄力粉、粗挽きライ麦粉、全粒粉、ベーキングパウダー、砂糖、塩を入れて10秒まわす。ここに5ミリ角に切った無塩バターを分量の半分入れ、40秒まわす。

バター残り半分 生地をラップにくるみ寝かせる
ボウルにうつして残りの無塩バターを加え、手ですりあわせながらバターをつぶす。ここに牛乳を少しずつ加え、生地をまとめる。まとめた生地はラップにくるんで冷蔵庫で30分ねかせる。

スコーンの型を抜く スコーンを焼く
スコーンの生地は5ミリほどの厚さにのばし、型で丸くくりぬく。200度のオーブンで15~20分焼いて完成。

「颯爽な家政婦さん」のライ麦のスコーン
珍しくスコーンがそこそこうまく割れた。うれしい。
里いわく「スコーンは焼きたて20分が一番うまい」ので、機を逃さずいただきます。

「颯爽な家政婦さん」のモンドールチーズのグラタン
もうひとつの主役、モンドールグラタンも並べる。

「颯爽な家政婦さん」のモンドールチーズのグラタン
食べた感想:
3連続で食べてすっかりトリコになったモンドールチーズ。生クリームとあわせたソースが野菜にからんで、大人のおつまみグラタンとして最後の最後まで絶品でした。しょっぱいチーズ味に、香ばしいライ麦&全粒粉のスコーンがまた合う。

クロテッドクリーム
しょっぱい組み合わせもいいけど、スコーンといえばやっぱりクロテッドクリームも外せない。スコーンの掟・その2は「カロリーを気にしない」、なのでたっぷりつける。鬼のように合う……。

食べつくしました
モンドール、完食。
買うときは「3000円か~」と二の足を踏んだのですが、これだけ楽しめるなら、確かにお値段に納得かも。

「颯爽な家政婦さん」のライ麦粉のクロワッサンスコーン
ちなみに巻末にレシピの載っていた、クロワッサンタイプのライ麦スコーンはこんな感じになりました(ちょっと厚すぎた。ぶかっこう…)。

グラニュー糖をかける 折りたたむ
短冊形に切ったスコーン生地の表面にグラニュー糖をまぶし、二枚を重ねて折りたたんで焼いたもの。食べごたえたっぷりで、こちらもおすすめ。

このエピソード、ほかにもいろいろなスコーンが登場するので、スコーン好きには特におすすめです



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「海街diary」(吉田秋生)のドイツパンのコロッケサンド

「海街diary」(吉田秋生)のドイツパンのコロッケサンド

「まんが道」以来、漫画とコロッケパンの間には何か特別な関係があるのでしょうか。これまでにもいくつかの作品を紹介してきましたが、「海街diary」の最新刊(7巻)にも、おいしそうなコロッケサンドが登場していました。

「海街diary」(吉田秋生/小学館)7巻より「肉のナカムラ」でコロッケを買うついでに、姉たちから大量のおつかいを頼まれたすず。
長女の幸(さち)が頼んだのは、「ベルグフェルド」のドイツパン。
「お姉ちゃんのお気に入りのおっもいドイツパン」とすずが説明していますが、幸はナカムラのコロッケとこのパンを一緒に食べるのにハマっているようです。
※【コマ引用】「海街diary」(吉田秋生/小学館)7巻より

「海街diary」には架空のお店とは別に、実在の鎌倉の有名店もいくつか登場しますが、「ベルグフェルド」もそのひとつで、本店は鶴岡八幡宮の近く。すずが立ち寄ったのは、長谷店のようです。
7巻を読んで、四姉妹だけでなく、「海街(鎌倉)」もこの物語の主役なのだと思わされたのですが、地元のお店の愛情あふれる描かれ方にもそれが表れている気がします。

さてコロッケパンといえば惣菜パンの代表格ですが、普通は食パンやコッペパンで作るもの。かたやドイツパンといえば「堅い・重い・酸っぱい」が特徴で、日本人好みの「ふわふわもちもち」パンと対極の存在。日本でもハードコアなパン好きはこちらを好む印象ですが、幸姉もそうなのでしょうか。
なんにしろ、コロッケとドイツパンの組み合わせ、どんな味になるのか気になって再現してみました。


こちらがベルグフェルドさんで購入したパン。紙袋のデザインがかわいい(ちなみにメールでの通販もできるようです)。
鎌倉・ベルグフェルドのドイツパン

ドイツパンにはいくつか種類がありましたが、今回買ったのは、「ライ プレーン」と「プンパニッケル」。
どちらもライ麦を使ったドイツパンですが、「ライ プレーン」はライ麦が40パーセント、プンパニッケルは70%で、見た目も重さもびっくりするほど違います。

プンパニッケル(右)はほんとに「ずっしり」という言葉がぴったりで、すずが風太に荷物運びのヘルプをお願いしたのも納得。幸姉が頼んだのもこっちだったのかな。
鎌倉・ベルグフェルドのドイツパン

コロッケは豚肉と牛肉の二種類を買ってみた。
コロッケ

和風ソース「肉のナカムラ」の自家製ソースは「ちょっと和風」という、幸姉の貴重な証言があるので、市販のソースにかつおだし+醤油をブレンドしてみる。

ちなみに関西のオリバーソースからは、ずばり「しょース」なる製品も出ているようで気になる。


コロッケをオーブントースターでこんがりと温めたら、ソースを塗って、そのまま薄く切ったドイツパンにはさんでいただきます。
手持ち
食べた感想:
まずはライプレーンから。みっしりと噛みごたえがあるパンがおいしい。でもコロッケとダイレクトに相性がいいかといわれると、間に何か野菜があったほうがいいような気もする。

「海街diary」(吉田秋生)のドイツパンのコロッケサンド
こちらはプンパニッケル。
酸味のきいた重い黒パンに、こんがりサクサクの甘いコロッケの組み合わせが、意外なおいしさ。幸姉がハマったのも納得で、個人的にもこっちのほうが好み!

それぞれ、カットした断面図。
断面 断面

チカちゃんのおつかいオーダーが「コロッケパンにコロッケ4つ」で、佳乃が「どうかしてる」とつっこんでいましたが、コロッケパンを食べても、単品のコロッケは別腹なのだ……と、実際に食べた私が擁護させていただきます。コロッケさいこう。

今回、お遊びで動画も作ってみました(ぶれぶれですみません…)。



そのほかの「コロッケパン」漫画飯はこちら
「まんが道」(藤子不二雄A)のフランスパンのメンチカツ&コロッケはさみ
「きのう何食べた?」(よしながふみ)のコロッケパン
「真夜中ごはん」(イシヤマアズサ)のクリームコロッケサンド

ドイツパンを取り上げた漫画飯はこちら
「女の子の食卓」(志村志保子)のライ麦パンのサンドイッチ

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「Heaven?」(佐々木倫子)のオマール海老のバプール エミール・ガレ風

「Heaven?」(佐々木倫子)オマール海老のバプール エミール・ガレ風
「Heaven?」(佐々木倫子/小学館)4巻より
ひょんなことから、オマール海老をいただきました。しかも生きてる状態で。活きオマール。

自分ではなかなか買えない食材だけに、「アレが再現できる日が来た…」とテンションが上がりました。
レストランを舞台にした佐々木倫子先生の名作「Heaven?」に登場する、「オマール海老のバプール エミール・ガレ風」。
※【コマ引用】「Heaven?」(佐々木倫子/小学館)4巻より

黒須オーナー(「動物のお医者さん」でいう漆原教授的キャラ)に、秋の新作メニューを試食してもらう小澤シェフ。しかし黒須から返ってきたのは「おいしいけれど、意外性がない」という、ぼんやりしたダメ出し。

何度も料理を作り直すも反応は良くなく、最終的にふたりは険悪に。オーナーは「シェフが自由に決めてちょうだい」と行方知れずになります。
急に突き放された小澤シェフはスランプに陥り、憔悴し切った中で生み出したのが、この“迷作”。

オマール海老を大胆に秋の風物詩・赤とんぼに見立てて盛り付けた一品。
料理名にもなっているエミール・ガレは昆虫をモチーフにしたガラス工芸品が有名ですが、そこから着想したのでしょうか。凝ってる、確かに凝っているんだけど、誰も求めていない方向への飛ばし方です。

オマール海老作り方:
そろそろオマール君と対峙します。
1時間ほど電車で揺られたせいか若干お疲れ気味ですが、たまにシャーッと威嚇してきます。
再現料理のなかでいろんな食材と向き合ってきましたが、生きてる状態からの殺生するのは初めてで、腰が引ける。


蒸す料理名にもなっている「バプール」とは、フランス語で「蒸す」という意味のよう。
沸かした蒸し器の中に、「南無…」と唱えながら投入。

フタをして15~20分ほど蒸すと、鮮やかな色に。

爪をとる 胴体を離す
あとはさばくだけですが、思ったよりも簡単。まず2本の爪と脚の部分を手でむしりとります。その後、頭と胴体をこれも手で外します。頭のなかには美味しい味噌がたっぷり詰まっているので、台所でこっそりいただいてしまう。
身をスライスする身の部分は殻を外し、5~6等分にスライスします。

きゅうり、トマトの細工縦に薄くスライスしたキュウリ、バラの形に細工したトマトの皮、セルフィーユを盛り付け。


オマール海老を配し、身の部分にピンクペッパーを乗せて完成。
「Heaven?」(佐々木倫子)オマール海老のバプール エミール・ガレ風
ぶーん感。

「Heaven?」(佐々木倫子)オマール海老のバプール エミール・ガレ風
食べた感想:
オマール海老って美味しいんだなあ。という以上の感想が浮かばない。好みのソースを用意してもいいけど、そのままでもうまみがあって充分なごちそう。

ここからは番外編ですが……。

ビスク カレー
オマール海老のビスクカレー
オマール海老は殻もご馳走。食べ終わった殻はじっくり煮詰めてビスクを作ります。これをベースに野菜やらスパイスやらを足して煮たら、ものすごく高級な味のカレーになりました。

しかし「Heaven?」はレストランが舞台なのに、いざ再現しようとすると以前作ったこれといい、まともに美味しそうな料理があまりないという。逆に言えば、料理に頼らなくてもグルメ漫画はここまで面白くなる、ということを証明しているのかも。

Heaven? 4 (4)
Heaven? 4 (4)

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