マンガ食堂 - 漫画の料理、レシピを再現
「誰そ彼の家政婦さん」(小池田マヤ)のスルメと大根の煮物、海老と冬瓜の煮物

「家政婦・里シリーズ」の最新作「誰そ彼の家政婦さん」。
料理一色だった前作にひけをとらず、今回も里のおいしそうな料理がたくさん登場します。
中編の「しのぶもぢずり」は、バツイチ・男やもめの信夫さんのもとに「顔を合わさないこと」を条件に派遣された里が、掃除や作り置きの料理で交流していく様子が描かれます。
契約通りお互いに顔を知らず、書置きする手紙のやりとりで関係が深まっていく前半は、まるで平安時代の恋もようのようで、情趣たっぷり&ドキドキ。
「スルメと大根の煮物」は、とある事件からついに二人が対面したのち、里が信夫に教えた料理。本来は「海老と冬瓜の煮物」ですが、その場にあった材料でアレンジしたのがこちら。※【コマ引用】「誰そ彼の家政婦さん」(小池田マヤ/祥伝社)より
料理上手の里が作る和食、さぞ時間も手間もかかるもの……かと思いきや、実は炊飯器ひとつでできてしまう簡単料理なのです。
材料:大根、こんぶ、するめ、鷹の爪。あと調味料に酒、みりん、塩。
炊飯器に4~5cmに輪切りした大根(念のため面取り、十字切り込みも)、するめ、こんぶ、鷹の爪を入れ、ひたひたの水を注ぎ、酒、みりん、塩を適量入れる。炊飯器を「おかゆ」モードにしてスイッチオン。ザッツオール!! めちゃ簡単。
(おかゆモードがない場合は、普通炊きを長めにすればいいような気がする)
炊き上がり、こんな感じ。イカの匂いがぷーんと漂います。大根をちょっと厚めにしたせいか、トロトロまではいかず。もうちょっと長く加熱してもいいかも。
皿に盛って、お好みで「かんずり」を添える(なければ柚子胡椒でもよさそう)。

食べた感想:イカの出汁が大根によく染みて、派手さはないけどあたたかくてほっとする味。
あんま飲めないけど、本能的に日本酒がほしくなります。
出勤前に仕込んでおけば、帰宅時にはこれで一杯できる……って、なんて素晴らしいんだ炊飯器料理。こんなのさっと出されたら、そりゃ信夫さんも落ちるよね。
あとスルメってそのままあぶって食べるだけじゃなく、こういう「乾物」的な使い方もアリなのね、と目からウロコでした。酒飲みさんじゃなくても常備しといて損はないかも。
そしてやっぱりもうひとつのレシピも試したくなってしまい、「海老と冬瓜」バージョンも作ってみることに。※【コマ引用】「誰そ彼の家政婦さん」(小池田マヤ/祥伝社)より
材料はスルメ→海老、大根=冬瓜 に置き換えるだけ。ほかは調味料含め同じ。
海老は日本酒入れたお湯でさっとゆで、殻をむいておく。殻は炊飯器にダシとして入れて、身はあとで温めて添えるのでとっておきます。
冬瓜はタネをとって皮をむき、大き目に切っておく。炊飯器に海老の殻、昆布、冬瓜、鷹の爪を入れてひたひたの水を入れ、あとは同じく酒、みりん、塩で味付けしてスイッチオン。
炊き上がりこんな感じ。こっちはおかゆモードだと、トロットロの状態に。通常の炊飯モードでも十分かも。
海老の殻を取り除き、とっておいた海老の身を入れ、炊飯器を保温状態にしてしばらく温めます
温かい状態もいいけど、こっちは冷やして食べてみた。オクラをさっとゆでて半切りにしたものも添えます。


箸で持ち上げられないくらい、冬瓜がトロトロ!
海老殻の出汁がじっくりしみこんで、これもお酒がほしくなる味。
大根が冬向きなら、こっちは夏向きかも。そういえば「冬瓜」という名前のくせに、旬は夏なんですね、この野菜……。
「里」シリーズを読んで毎回感じるのは、料理だけじゃなく掃除や洗濯、そんな些末な家事の積み重ねが、日常を大きく動かしていくという説得力。なにかを変えるのに、劇的なことはそれほど重要じゃないのかもしれない。
でも家事がんばろう&ちゃんと暮らそう…という前に、やっぱ単純に「うちもSランク家政婦ほしい!!」です…。
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![]() | 誰そ彼の家政婦さん (Feelコミックス) 小池田 マヤ 祥伝社 2012-11-08 by G-Tools |
「大奥」(よしながふみ)の里芋の煮物

8巻に入って、物語が大きく動いた「大奥」。自分のなかでは過去最高の面白さで、12月にはもう次の巻が出ちゃうなんてうれしすぎる。
そして今回は、初の料理が登場するエピソードもあって、よしなが先生の食べ物描写が好きな身にはたまらない巻でもありました。
江戸一の料亭「かね清」で、唯一の男の料理人として腕をふるっていた善次郎。「女の職場」に男がいると場が乱れる――という理由で店をクビになり、板長のはからいで、「男ばかり」の大奥の御膳所で働くことに(このへんのジェンダー逆転シチュエーションが、この作品ならでは)。
入ってすぐ、お決まりの新人いびりとして、大量の里芋の下処理を命じられますが、もともと腕のいい善次郎はあっという間にこなし、ついでに一流料亭仕込みの煮物の作り方まで披露します。
善次郎が解説するこの煮物のレシピ、江戸時代の、ひいては大奥の食事情が垣間見えてなかなか興味深いです。作中の説明を参考に再現してみることに。
※【コマ引用】「大奥」(よしながふみ/白泉社)8巻より
作り方:里芋はなるべくたくさん用意します(今回は20個くらい)。作中でも大量に作ってたし……ってだけではなく、少量だと里芋のぬめりがあんまり生かせなかったので。皮をむくと案外小さくなっちゃいますしね。
泥をおとした里芋の皮をむいていきます。私のスキルが足りずキレイにできなかったけど、いちおう六方むき風に……。しかしこんなに大量に里芋をむいたことってなかったので、途中で手に猛烈なかゆみが。ぐあー。
むくのは大変だし、手はかゆくなるし、やっぱり厨房の新人イジメには里芋が一番だぜ!と、なんか納得してしまったほど。

里芋を煮るには鰹節の二番出汁を使います。
二番出汁とは、一番出汁をとった後の鰹節を水に入れて強火にかけ、沸騰させたのち弱火でじっくりとった出汁のことらしい。
※詳しいひき方はこちらを参照(今回は昆布ナシで)

鍋に里芋を入れて、二番出汁をひたひたに注いで火にかける。弱火で落とし蓋をし、竹串がすっと入るまでやわらかくなるよう煮る。
普段はここで酒、みりんなど使うところですが、今回の味付けは砂糖と濃口醤油のみ、とザッツシンプル。みりんはこの頃は飲酒用で、調理用に使われるようになったのは江戸後期のあたりからだとか。へーー。このほかにも、善次郎の調理方法に「煮物に砂糖を使うなんて」と周囲が驚いたり、通常は「下り物の薄口醤油」が使われているのが伺えたり、大奥の特殊な厨(くりや)事情が垣間見えて、ワクワクしてしまうシーンです。同じ江戸にあれど、庶民の台所とはかなり異なっていたのでしょうね。
しばらく煮詰め、そのまま冷まして一晩置く。翌日再度火にかけ、煮返すように仕上げて完成。食べる直前に柚子の千切りを添える。

食べた感想:
里芋のねっとりした食感としっかり甘辛い味付けは、ザ・関東風の煮物という感じ。ご飯orお酒がほしくなります。ここに柚子の千切りが加わると、ちょっと高級感が出るうえに風味もさわやかに。
この後、善次郎はその腕が認められ、将軍・家重の前で刃傷沙汰を起こして幽閉中のお幸の方と、料理を通して心を通わすことになるのですが、そのエピソードはぜひ本編でお楽しみを(うなぎが…うなぎがむしょーに食べたくなるので注意)。
福田里香先生の「まんがキッチン」での対談のなかで、よしなが先生と福田先生が
「権謀渦巻く『大奥』のストーリーのなかでは、人の「腹の中」を明らかにしてしまうアイテムとしての食べ物を登場させる必要がなかった」
という趣旨のことを語っていらっしゃいましたが、巻が進んで多彩なエピソードが織り込まれることになったいま、こんな興味深い食べ物のシーンが出てきたことに、いちファンとしてうれしく思うのでした。
![]() | 大奥 8 (ジェッツコミックス) よしながふみ 白泉社 2012-09-28 by G-Tools |
※「ダ・ヴィンチ」11月号のよしながふみ先生特集、福田里香先生のまんがキッチン出張版やよしなが先生のインタビュー&対談など、ファンにはたまらない内容でした(興奮)!!
(「きのう何食べた?」企画ページでちょろっとだけ参加させていただきました)
![]() | ダ・ヴィンチ 2012年 11月号 [雑誌] メディアファクトリー 2012-10-06 by G-Tools |
「女の子の食卓」(志村志保子)のズッキーニのお味噌汁

書店で「女の子の食卓」の最新刊を見つけてワクワク購入したら、「最終巻」の文字が……。なんだってー!とショックを受けつつ、最後の巻も変わらずすばらしくて読後はちょっと放心。
ちょうどズッキーニが安く出ている時期だったので、「母が調理したズッキーニ」のエピソードに出てくる味噌汁を作ってみました。
※【コマ引用】「女の子の食卓」(志村志保子/講談社)8巻より「やばい位」に田舎な実家に帰省した女の子のお話。
母親が近所でもらってきたものの、使い方がわからないというズッキーニ。主人公は定番のラタトゥイユを作ろうとするものの、なにせ田舎なのでオリーブオイルも簡単に手に入らない。
ちょうどプライベートがうまくいかないこともあり、イライラして八つ当たりしてしまった主人公に母親がふるまったのが、このズッキーニの味噌汁。
「お母さん 作るとこんなのになっちゃうけどねー」
と、ちょっとさびしそうに笑う母親。
せっかくのオシャレ野菜も、おかんの手にかかれば地味な「味噌汁の具」になってしまう。でもその意外なおいしさに、主人公は故郷の温かさを思い出す……というお話。
相変わらず、これだけ短いエピソードのなかで、いろんな人生の「味」を描ける手腕に感動。
そして作中でも言われていたけど、キュウリのようなナスのようなズッキーニは、和食に合うかも? という好奇心も芽生えます。私も普段作るときは、ラタトゥイユかオリーブオイルでさっと焼くか、くらいしかバリエーションがなかったりする。
コマの絵を見ると、油揚げとあわせているように見えたので、「ズッキーニと油揚げの味噌汁」として作ってみることに。

作り方:……というほどのもんでもないですが
ズッキーニは半月切りにし、だしをいれた鍋で4~5分煮る。油揚げを入れてひと煮立ちさせる。
火を止めて味噌を適量入れてできあがり。
食べた感想:
普段洋食でしか見ないズッキーニが味噌汁に入っているって、なんとも不思議……。外国人が浴衣着てちょんまげを結って「ハラキリー!」とか叫んでる映画のような落ち着かなさです。
でも食べてみると、「なんで今までなかったんや…」と目が覚めるくらい、具材として自然すぎてびっくり。
ナスと違って煮ても歯ごたえはしっかり。さっぱりしてるので油揚げとの相性も最強。これは味噌汁として定番レパートリーにしたいかも。
私のなかではズッキーニ以外に、クレソンとかラディッシュとかチコリあたりがおしゃれ野菜四天王なのですが、このへんもいつか味噌汁に沈めて脱おしゃれ化させてみたいものです。
ああしかしあらためて、人生と食べ物をこんなに美しくリンクさせた短編がもう読めないなんて、さびしい限り。
志村先生、ほんとうにお疲れ様でした。(そしてこの作品を教えてくださったみなさま、ありがとうございました)
≫「女の子食卓」の再現料理一覧
![]() | 女の子の食卓 8 (りぼんマスコットコミックス クッキー) 志村 志保子 集英社 2012-06-15 by G-Tools |
「きのう何食べた?」(よしながふみ)の さばのみそ煮、里芋の白煮 ほか

煮魚が上手な人って、いいですよね、なんか。お料理上手の証、という感じがします。
私はというと、家人が煮魚苦手で、自分自身も「まーどっちかというと、焼いたほうが好きかな」ってことで、煮魚スキルほとんどゼロのまま、この歳まで来てしまいました。
ただたまに、どうしても食べたくなるのが、さばのみそ煮。いつもは外食でまかなってたんですが、ちょっと前の「モーニング」で「きのう何食べた?」に登場したのを見て、いてもたってもいられなくなりました。
・さばのみそ煮・里芋の白煮
・ほうれん草としめじのみぞれ和え
・にらと卵のスープ
※【コマ引用】週刊モーニング「きのう何食べた?」(よしながふみ/講談社)より
何食べ流の「さばみそ定食」は、いつもにましてヘルシーですてき。味噌かぶりを避けるためか、汁物が中華風になってるのもイイ!
さらに今回のさばみそ煮は、シロさんの料理の師匠、佳代子さん考案の「えらい簡単」なレシピによるもの。煮魚ビギナーにはありがたい。
そのポイントは、煮汁の味をまずバシッと決めてから、サバを投入すること。
サバにあらかじめ塩をふったり、熱湯で霜降りしたり、味噌を後から入れたり……といった、よく言われる「コツ」は一切必要なし(ただし、買ったサバはその日のうちに調理すべし、だそう)。
プロのレシピももちろん参考になるけど、こういった「オカンの長年の経験からくる知恵」って、何よりも説得力がありますよね。そういう主婦に私はなりたい。
フッ素加工のフライパンに、水、酒、しょうゆ、砂糖、みりん、味噌、しょうがの薄切りを入れて火にかけます。さばのみそ煮といえば、どの味噌を使うかも重要なポイント。甘めに仕上がる白味噌も、こってりした赤味噌も大好きだけど、今回は特に指定がなかったので、ノーマルな合わせ味噌で。
煮汁が煮立ったら、サバの切り身をそのまま投入(フライパンが大きすぎたので、煮汁にあまり浸らなかったorz 作中にも書いてたけど、もっと小さ目のフライパンのほうがよさそうですね)。落としぶたをして中弱火で10~15分煮て完成。煮汁がシャバシャバのようなら、煮詰めてからサバにかけなおします。
ほんとに簡単だ!

さばのみそ煮:
ハッ! 食べるのに前のめりすぎて、箸を入れた後の写真しか残ってなかった……という例。
落としぶたで仕上げるせいか、身が柔らかくトロントロンの食感になってて、うっとり。しょうがの効いた味噌だれも、ごはんに最高です。
ちなみに家人には、かわりに塩鮭の焼いたのを出しといたのですが、これだけ簡単なら、別々の献立にするのも苦にならなくていいな。いつでもさばみそ煮が食べられると思うと、幸せだ。佳代子さまありがとう。
以下、そのほかのメニュー。

里芋の白煮:一度ゆでこぼした里芋を、ひたひたの水と白だし、みりんで煮た白煮。あっさりした味付けが、こってりしたさば味噌の箸休めにちょうどいいです。
市販の冷凍野菜って便利でたびたび使うけど、里芋だけはどうも美味しくないんですよね(いい商品に巡り合えていないだけかもしれないが)。生の里芋はシンクがドロだらけになるし、皮はむきづらいし、面倒だけど、やっぱ美味しいから頑張らざるを得ない。
しかし皮のむき方がヘタで、見た目よろしくない仕上がりになっちゃった……。今度は六方むきをマスターしよう。

にらと卵のスープ:鶏がらスープの素と少々のみりんで味付けし、仕上げにごま油をたらした中華風スープ。ざく切りしたニラに、卵のやさしい味がしみじみ美味しい。
シロさんの汁物にはずれなし。

ほうれん草としめじのみぞれ和え:
ゆでたほうれん草と、味付けして炒めたしめじ、大根おろし、ポン酢であえた副菜。
見た目よりも手間がかかっていますが、その甲斐あるさっぱりしたおいしさ。
甘辛いさばみそ煮に、ポン酢のおひたし、あっさりスープと里芋。
栄養バランスだけでなく、味のバランスにもこだわるのがシロさんの献立の特徴。だから一品といわず、まとめて再現したくなっちゃうのかもしれない。





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「路地恋花」(麻生みこと)のお茶の佃煮と鯛の昆布締め

京の路地の長屋に暮らす、若き職人たちの恋もようをオムニバスで描いた「路地恋花」。製本職人、銀細工職人、キャンドル作家……とさまざまな職人が登場します。麻生みこと先生の淡麗なタッチの絵と、はんなりした京ことばのセリフ、ロマンティックなストーリー。読むと「トリップ」できるマンガのひとつです。
最新刊の3巻には、京都らしいおばんざいが登場するエピソードがあります。美容院を営む慎吾に、手作りのおそうざいをたびたび差し入れてくれる、長屋の大家さん。近所の花屋の一松は「それは気があるから」とけしかけ、慎吾も年配の大家さんを異性として意識するようになり……というお話。
ここに登場する3つのおばんざいが、どれもユニークでおいしそう。
煎茶を炒り煮した「お茶の佃煮」、刺身の残りを使った「鯛の昆布締め」、古くなった沢庵を煮た「贅沢煮」。いずれも、食材を無駄にしない京の精神があらわれている料理です。
※【コマ引用】「路地恋花」(麻生みこと/講談社)3巻より
特にお茶の佃煮は、「ものすごええお煎茶の香りする……」というセリフからしても、どんな味なのか気になる! これと鯛の昆布締めを作ってみることにしました。沢庵の贅沢煮は、古い沢庵が手に入らず今回は断念(実家で今度もらってこようかな…)。
そういえば、「エスパー魔美」にもパパの好物として「たくあんの煮物」が登場したけど、これとよく似てますね。調べてみたら、京都だけでなく、藤子先生の出身地・富山でもメジャーな料理らしい。意外な共通点にちょっとびっくり。
※【コマ引用】「路地恋花」(麻生みこと/講談社)3巻より
お茶の佃煮:煎茶の出がらしを用意します。
私は3~4回淹れたあとの出がらしにしました。
香りを強めに残すなら1~2回淹れたものがよさそうですが、苦みも強く出るのでそのへんはお好みで。
あとの材料はじゃこと山椒。生の山椒がどうしても見つからず、今回は「ちりめん山椒」で代用。これなら両方補えますしね。
お茶の出がらしをフライパンに入れ、日本酒をひたひたになるまで注ぎ、中弱火で炒めます。
水分が減ってきたら、ちりめん山椒と醤油を加え、焦げないように弱火にしてじっくり炒めます。
水分がなくなるまで炒めたら、完成。
鯛の昆布締め:昆布はキッチンペーパーなどで汚れを落とし、水で薄めたすし酢に5分ほど漬けてやわらかくしたあと、水分をふきとります。
薄く切った鯛の刺身に軽く塩を振り、昆布の上に乗せ、上からもう一枚昆布をかぶせます。
ラップできっちりくるみ、冷蔵庫で1時間ほど置いて完成。おばんざい2品、できました。


食べた感想:
佃煮は、言われなければ「お茶の葉で作った」とは気づかないほど、ごく自然なさっぱりした味で、ご飯にもちゃんとあいます。
薄くなった出がらしを使ったので、思ったより強くはありませんが、それでもほんのり煎茶の香り。今度は思い切って玉露とか、「いいお茶」で作ってみようかな。
今回は作中の説明に従って、日本酒と醤油のみで仕上げましたが、調べてみるとみりんや砂糖を加えるレシピもあるよう。そちらのほうが、より佃煮っぽく仕上がるかもしれません。

お次は昆布締め。面倒なイメージがあったんですが、作ってみると意外に簡単。
昆布にはさんだだけで、こんなに刺身の「うまみ」が増すなんて。グルタミン酸の働きってすげー、と感動します。白身の刺身は、醤油よりもこうやって食べるほうが好きだな。
食材を余らせることなく、効率よく「始末」して食べるのが京都人。もしかしたらそれは、京都に限らない昔の日本の食のあり方だったのかもしれませんが、単なる「ケチ」や「節約」ではない美学がそこにはあるよなあ…と思うのでした。
![]() | 路地恋花(3) (アフタヌーンKC) 麻生 みこと 講談社 2011-09-07 by G-Tools |
▽京都マンガといえば、こちらもオススメ
・ 酒場ミモザ(とだともこ) ・ おはようおかえり(鳥飼茜)
「おせん 真っ当を受け継ぎ繋ぐ。」(きくち正太)の茗荷の味噌炊き柚子風味

柚子が出回るようになったら、作ってみよう……と思っていた料理。「おせん 真っ当を受け継ぎ繋ぐ。」4巻に登場する、茗荷の味噌炊き柚子風味です。※【コマ引用】「おせん 真っ当を受け継ぎ繋ぐ。」(きくち正太/講談社)4巻より
新シリーズになってからの「おせん」料理を作るのは初めてですが、相変わらずおいしそう。特に4巻は、これから旬を迎える柚子を使ったレシピが満載です。今の季節は黄色くなる前の青柚子が出回っていますが、この茗荷の味噌炊きに使うのは、むしろそっち。
茗荷も夏のイメージが強い野菜ですが、おせんさんいわく、味がいいのはむしろ秋らしい。……と、相変わらず季節感を大切にしたレシピ、期待しちゃいます。
材料:茗荷、味噌、青柚子、みりん、ごま油。材料はこれだけ。
茗荷はとにかくどっさり! ……とのこと。近所の店で安売りしてたので、ここぞとばかり買い込みました。

作り方:
茗荷は洗って縦半分に切り、みじん切りします。
10個ほど刻むと、かなり山盛りに(右写真)! もっと入れるか迷ったけど、うちは少人数なのでとりあえずこれくらいに。
味噌とみりんを3:1の分量で混ぜ合わせます。私は茗荷10個に対して、味噌を大さじ4:みりん大さじ1.5くらいにしました。

厚手の鍋にごま油を熱し、みじん切りした茗荷をしんなりする程度に炒めたあと(炒めすぎはNG、とのこと)、先に混ぜ合わせた味噌&みりんを入れ、練り上げるように火を通します。
ここで気づいたのですが、炒めるうちに味噌の塩分で茗荷の水分がどんどん出てくるので、調味料はもうちょっと少な目でもよかったかも……。
鍋肌の味噌が焦げついてきたら、まるごと1個分の青柚子の皮の部分をおろし金ですりおろします。緑が色鮮やかできれい。おろし金の柚子をかき落とす際は、茶道で使う茶筅を使うと便利……と、作中にあったので試してみたら、確かにこれイイ! なんか風流な気分になるしw、おすすめです。(写真とりわすれましたがorz)
火からおろして、軽く練って完成。わりとどろっとした状態です。
作中では、直木賞作家の河村と一夜を過ごした(別の意味で)おせんさんが、これと土鍋で炊いたご飯だけの朝食を用意します。

というわけで久々に土鍋で炊きました。やっぱり米の立ちが違いいますな(少しだけおこげも出来た!)。


食べた感想:
茗荷と青柚子の清々しい香りにシャキシャキした食感の味噌が、炊き立てご飯の甘みを引き立てて、これは確かにほかのおかずがなくても十分いけます。(わりと味噌っぽい仕上がりになったので、もっと容赦なく茗荷を入れてもよかったかな)
お米が一番美味しい季節だからこそ成立する、このシンプルな献立。一見素朴なのに、日本の秋をこんなに深く味わえるなんて、うーん、すばらしい。そしておせんさんと河村先生。粋人同士のカップル(?)の朝食として、これ以上ふさわしいメニューはないかもしれません。
青柚子の季節は短いようなので、見かけたらぜひお試しいただきたいメニューです。
![]() | おせん 真っ当を受け継ぎ繋ぐ。(4) (イブニングKC) きくち 正太 講談社 2011-06-23 by G-Tools |
「にがくてあまい」(小林ユミヲ)のとうもろこしのぷりっぷり玄米ご飯とチャーハン

こないだ3巻が出たばかりの「にがくてあまい」ですが、今回は夏野菜ネタが豊富な2巻から。作中のエピソードに登場するのは、ゆでたてのトウモロコシのみですが、巻末には残りものを活用したおいしそうなアレンジレシピが登場します。トウモロコシの玄米ご飯と、夏野菜チャーハンの2品。
※【コマ引用】「にがくてあまい」(小林ユミヲ/マッグガーデン)2巻より

まずは基本の茹でトウモロコシ作りから。皮とヒゲをむいた生トウモロコシを、塩を入れた水から沸騰させて茹でます。
最近は品種もたくさんあって、どれも甘くて美味しいですよねー。

とうもろこしのぷりっぷり玄米ご飯:茹でたとうもろこしの実をはずし、圧力鍋に玄米と塩、水と一緒に入れて炊き上げます(おこげも出来たー)。
今回は残り物アレンジってことで茹でトウモロコシを使っていますが、本来は生トウモロコシから作るよう。

食べた感想:
玄米の味って、どうしても人によって好き嫌いがありますが、これは食べやすい!
とうもろこしのプチプチした甘みとご飯の塩気が、クセになります。和食なのに、洋風っぽさもあって、おかずの種類も選ばなさそう。
夏やさいぷりっぷりっチャーハン:もうひとつのレシピは、上の玄米ご飯をさらにアレンジしたもの。
残った玄米ご飯をオリーブオイルとニンニクでよく炒め、塩で味付け。
火を止めて、薄切りしたズッキーニとパプリカを入れ、余熱で仕上げます。粗挽きコショウを振って完成。
食べた感想:
トウモロコシの黄色に、ズッキーニの緑、パプリカの赤、と彩りもキレイで食欲そそります。
洋風チャーハンといった感じですが、これもトウモロコシの甘みがきいていて、肉が入ってなくてもなんだか満足する味に。玄米って、こうやって洋風の味付けにするほうが好みかも……と、個人的にちょっと発見でした。
![]() | にがくてあまい(2) (エデンコミックス) 小林ユミヲ マッグガーデン 2011-01-14 by G-Tools |
「おかめ日和」(入江喜和)のうな玉どんぶり ほか

「おかめ日和」から、夏らしい献立を再現してみました。・うな玉どんぶり
・ゴーヤとツナのサラダ
・オクラと納豆のとろろあえ
の3品です。
※【コマ引用】「おかめ日和」(入江喜和/講談社)3巻より
夏らしさだけでなく、なんか妙にスタミナ感のあるメニューですが、やすこさんの「夫婦円満計画」にちなんだエピソードゆえ。このへんのリアルな夫婦関係の描写は、長年の連れ合いがいる人は色々と共感できる……かも?
うな玉どんぶり:※作り方はてきとう……結構前に作ったのでうろ覚えですみません
卵2個はほぐして、砂糖・塩・酒少々で味付け。
うなぎは一口大にカットして、酒と水で薄めためんつゆでさっと煮る。
卵を流し入れ、半熟に仕上げる。丼にご飯をよそい、三つ葉を飾って完成。

「う巻き」があるくらいだから、卵とうなぎの相性はお墨付きですが、丼にしてもやっぱり美味しい。卵もうなぎも甘辛くふわふわになっていて食べやすいです。卵で量をかさ増しできるので、3~4人分ならうなぎ1パックで十分なのも経済的。
ゴーヤとツナのサラダ:これは巻末にレシピが載ってたもので、何度も作ってすっかりお気に入り。
ゴーヤは縦半分に切って、白いワタの部分をスプーンでかき出します。
「計量スプーンでやるとやりやすい」そうで、試してみたら確かに普通のスプーンよりもスムーズだ。
3mm程度にゴーヤをスライスし、塩を入れた湯で軽く茹で、冷水にさらして水気をしぼる。
ボウルにツナ(油は切る)、ゴーヤ、マヨネーズ、塩コショウを混ぜ合わせて完成。お好みでレモンを絞ってもOKのよう。
ゴーヤの苦さがツナとマヨネーズで緩和されるので、ゴーヤが苦手な人にもおすすめ。サラダとしてはもちろん、醤油を少したらすとご飯にも合います。和洋中どの献立にも合わせやすいので、夏に重宝するメニューです。
オクラと納豆のとろろあえ:最後は名前のとおりの一品。刻んだオクラと納豆をあえ、長芋をすりおろしてかけます。
納豆はもちろん「おかめ」ブランドで!

醤油をかけていただきます。ネバネバしたものは、とろろがあるとツルっといけますよね。
入江先生は料理もさることながら、子ども(あとお年寄りも!)の描写が素晴らしいのです。3巻は特に、末っ子のちーちゃんと先生が二人っきりで留守番する回が、かわいすぎて悶絶しました。
子どもが可愛い漫画はたくさんあるけど、「新生児と1歳児」「小学校1年生と2年生」の微妙な差を描き分けできる作家さんは希有だと思う。身近にお子さんがいる方は、特に悶絶できるはず。
※【コマ引用】「おかめ日和」(入江喜和/講談社)3巻より
ちなみに先生のブログで、単行本のプレゼント企画を実施中のようなので(※被災地の方優先)、ご興味のある方はぜひ。
![]() | おかめ日和(3) (KCデラックス) 入江 喜和 講談社 2008-04-11 by G-Tools |
≫「おかめ日和」(入江喜和)の再現料理一覧はこちら
「ばらかもん」(ヨシノサツキ)の“このもん”

ひょんなことから日本最西端の小さな島に移住した、都会育ちの青年書道家・半田。着いたその日から、タクシーが来ない、住民にプライバシーの概念は存在しない……と、田舎カルチャーの洗礼を浴びます。しかも、謎の子ども「なる」に「先生」と呼ばれなつかれ、家に入り浸られることに。
「つまらない」と評された彼の字と頑なな心が、ちょっと変わった島の暮らしのなかで柔らかくほどけていく。笑えるシーンも満載ですが、ゆるりとした時間と人間関係にほっとします。
作者のヨシノ先生が「郷土愛を全力でぶん投げます」と宣言しているとおり、舞台となる長崎県五島列島の方言や文化が、色濃く出ている作品ですが、食べ物もしかり。やたらと夕飯にチャンポンが登場するのも、ご当地ならでは。特に気になるのが、なるのじいちゃんからお裾分けされた「このもん」。方言で「漬物」の意味らしいですが、私の知っている漬物とは微妙に違うよう。
※【コマ引用】「ばらかもん」(ヨシノサツキ/スクウェア・エニックス)2巻より
袋一杯に貰い、「こんな量食べきれるわけない」と思う先生ですが、書道について思いを巡らせつつ摘んでいるうちに、翌日には大量にあった袋の中身がすっかり空に。頭の中は「このもん」一色になります。
普段クールな先生を中毒状態にまでさせる「このもん」、どんな漬物なんだ……と気になったところで、親切なことにレシピページも登場。簡単そうなので、チャレンジしてみました。
作り方:大根は、今回は1本で作ってみます(レシピの分量からすると、3本くらいいけるかも)。皮をむいて、銀杏切りにします。
大きめのザル(今の季節なら、土用干し用のやつが出回ってますね)に、切った大根を並べていきます。
風通しのいい場所で干します。夏場の晴れた日なら短時間でいけそうですが、梅雨の晴れ間だったので、半日ほどかけました。大根の水分が飛んで少し縮み、干す前と比べてかさが減ります。

干している間に、漬け汁作り。砂糖(大量!! 白砂糖が足りなくて、きび糖を足しました)、酢、薄口醤油を鍋に入れて、砂糖が溶けるまで火にかけ、冷まします。わりとトロっとした感じです。
保存容器に干し大根を入れ、漬け汁を注ぎます。好みで鷹の爪を入れてもOK、とのことなので、加えてみました。
このまま2日漬け込みます。砂糖がたくさん入っているので大丈夫かなー、と思いましたが、蒸し暑い時期だったので、念のため冷蔵庫で保存。
大根が浮き上がってきてしまうので、私は重しもしました。
2日漬けた後がこちら。

大根の水分がさらに抜けて、いかにも漬物っぽい感じになってます。

食べた感想:
投入する砂糖の量である程度予想していましたが、かなり甘いです。みたらし団子風の甘じょっぱさ。浅漬けとか、ぬか漬けとか、よく知っている漬物とは全然違う味にちょっとびっくり。ご飯のお供というより「お茶請け」の印象です。
そしてこれが、実際クセになるかというと……なるんです。
実は漬けている間にも、味見しようと、ひとつつまみ、ふたつつまみ……を繰り返しているうちに、量がかなり減ってしまったことは内緒。
今回は唐辛子も一緒に漬けましたが、ピリっとした辛さがアクセントになって、さらに止まりません。昆布なんかも合うかなー。
![]() | ばらかもん 2 (ガンガンコミックスONLINE) ヨシノ サツキ スクウェア・エニックス 2010-02-22 by G-Tools |
「天体戦士サンレッド」(くぼたまこと)の紅ショウガで作るかんたんショウガ焼

簡単なのにハズれがない、サンレッドのヴァンプ将軍料理。巻を経るごとにレシピも充実してきて、ヴァンプ様が高津区の栗原はるみとなる日もそう遠くない……と目を細めてしまいます。最新刊の12巻ではいよいよショウガ焼きが登場。ご飯に合うおかずの定番ですが、本格的に作ろうとすると、肉を調味料に漬け込んだり、ショウガをすりおろしたり、意外と手間がかかるもの。
サンレッドのレシピは期待を裏切らず、超簡単です。なんと「紅ショウガ」を使います。そしてこれが、ちゃんとうまい。
※【コマ引用】「天体戦士サンレッド」(くぼたまこと/スクウェア・エニックス)12巻より
作り方:材料は、豚肉(バラでもロースでもOK)、玉ねぎ、紅ショウガ、醤油、サラダ油。
豚肉と玉ねぎは、食べやすい大きさに切ります。
フライパンに油を入れて熱し、肉と玉ねぎ、紅ショウガを入れて炒めます。紅ショウガは多めがいいらしい。火が通ったら、醤油をまわしかけて完成。
味付けもあっけにとられるほどシンプルです。

食べた感想:
一般的なショウガ焼きのセオリーがことごとく無視されてるのに、食べてみると、一風変わっていながらも確かに「ショウガ焼き」の味。紅ショウガの塩気と酸味もプラスされるので、味付けは醤油だけでも十分。家人は甘辛いのが苦手なので、むしろこっちの方がさっぱりして好き、とのこと。
焼きそばやお好み焼きの脇役のイメージが強い紅ショウガですが、使い方によってはちゃんと主役になれるんだなー、と新たな発見でした。
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