マンガ食堂 - 漫画の料理、レシピを再現
「沈夫人の料理人」(深巳琳子)の猫耳朶

「沈夫人の料理店」の2巻が出たばかりですが(今回で最終刊なんですね、寂しい…)、久々に「料理人」のほうから、猫耳朶を作ってみました。“マアアルトゥオ”と発音するらしい。「猫の耳たぶ型の麺」という意味のとおり、猫耳っぽい形がキュートな中華パスタ。日本ではあまり馴染みがないですが、中国ではわりと定番の料理のようです。
※【コマ引用】「沈夫人の料理人」(深巳琳子)2巻より
李三のもとに突如押しかけてきた兄・李大は、グータラながら麺料理については超一流。それを知った沈夫人は、ぜひ彼が作った麺を食べてみたい、と命じます。が、李大は面倒くさがり、内緒で代わりに李三に料理を押しつけることに。「猫耳」なら、お前でも作れる――という李大のセリフからも、麺料理のなかでは簡単な部類になるよう。確かに作り方を見ると、特別な道具もテクニックもいらないし、意外と素人でも挑戦しやすそうです。
※【コマ引用】「沈夫人の料理人」(深巳琳子)2巻より

作り方:
小麦粉にぬるま湯を少しずつ加え、表面がなめらかになるまでよくこねます。
(※作中の分量は結構多くなるようなので、少なめに作りました)

麺棒で厚さ1cm程度にのばし、さいの目状に包丁で切ります。
四角く切った生地をひとつひとつ、親指でまな板に押しつけるように、対角線の方向にのばします。
こんな感じ。猫の耳、というより理科で習ったヘモグロビンを思い出す……。

お次は具材。鶏肉、エビ、ナマコ、タケノコを、それぞれさいの目状に切ります。
ナマコ、調理するの初めてだけど、すごい凶悪な形状ですよねコレ……。これ持ってる時に強盗に鉢合わせしたら、武器にして戦えそう。

猫耳は沸騰した湯で1?2分ほど茹で、その後中華鍋で炒めて塩を振っておきます。
別に具材を炒め、塩、醤油、コショウで味付けして別皿に取っておきます。
熱した中華鍋に新しく油を入れ、強火で炒り卵を作り、猫耳と具材を入れてさっと炒めあわせて完成。クルンと丸まった麺は、言われてみれば猫の耳っぽい。

食べた感想:
猫耳パスタはモチモチした弾力があって、まさに中華ニョッキという印象。タケノコやエビ、ナマコ(火を通すとキノコっぽくなるのね)とあわせると、それぞれ個性ある食感が楽しい。
クセがないので、和食や洋食にアレンジしてもいけそう。スープに浮かべてもよさそうだし、なんでもっとメジャーにならないんだろう、というくらい食べやすい美味しさでした。
そして、猫のように美しく気まぐれな沈夫人がこれを食べるシーンは、いつもに増してちょっと官能的だなあ、と思うのでした。
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「沈夫人の料理店」(深巳琳子)の広東粥

全4巻で完結した「沈夫人の料理人」の続編、「沈夫人の料理店」。前作の明朝時代から1920年代の中国に舞台を変えつつ、今作も美しい沈夫人と下僕体質の料理人・李三の、美食を通じた精神的SMをじっくり楽しめますw(使用人の愛蓮や、李三の兄もそのまま登場!)
私みたいな素人には一生作れなさそうな、難易度ウルトラCクラスの本格中華ばかり出てくるシリーズですが、今回も比較的再現しやすそうなメニューを見つけました。第1話に登場する、広東粥です。※【コマ引用】:「沈夫人の料理店」(深巳琳子/小学館)1巻より
閑古鳥が鳴く李三の屋台にたまたま立ち寄り、そこでこの粥を食べた沈夫人はあまりの美味しさに驚愕。才能を見いだしつつ、持ち前の洞察力で彼の素性をぴしゃりと当て、すっかり李三から「特別なお方」と心酔されることに。
流行らない店をどうすればいいか、というワラにもすがるような彼の問いに対し、
「けっして粥の味を変えてはならない」
と、命じる夫人。
この言いつけを頑なに守り、李三は塩辛いものを好む労働者のお客からの文句にも耐えます。うーん、早速調教プレイが始まってる感じですね。
しかし前作が無邪気な少女だとしたら、今作の夫人はマダムの貫禄たっぷり。その分、ちょっと性格も優しめかも? お仕置きで指切ったりはしなさそうですw
作り方:米は洗ってから水気をよく切り、乾いたら新聞紙の上などに広げ、室温で乾燥させます。一晩置くと、手でポロポロ潰れるくらいになります。

ヒビ割れるまでいかない場合は、包丁で切るように米粒を割ります。今回はマッシャーでぐりぐりと潰して仕上げました。
潰した米にごま油を少々たらし、よく混ぜて馴染ませます。
米を馴染ませている間に、鍋いっぱいに湯を沸かし(米の10?12倍くらい)ます。沸騰したら米を入れ、強火のままフタをせず、底がこげないように時々ヘラで混ぜながら煮立たせます。
15?20分程度経つと、白くにごったとろみのある状態になります。このまま火を弱めて30分ほど煮込んだらベースとなる粥は完成。
煮込んでいる間に、ひき肉(今回は豚。念のため酒と塩で味付けして炒めました)、みじん切りしたネギとショウガを用意します。
粥に具を加え、塩、醤油、紹興酒、胡椒、各少々で味付けします(あくまでも薄味で)。
粥を椀によそい、溶き卵(卵半個分くらい)を加え、2?3分蒸らします。
トッピングに、お好みでピータンや香菜、ザーサイなど用意します。出来上がりはこちら。

粥が重いせいか、卵と分離しちゃってあまりうまく蒸らせなかったかも。

食べた感想:
ひき肉や薬味でしっかり風味がついた粥は、お腹にたまるスープのようで、ちゃんと一食になりえる食べ応え。病人食のイメージの強い日本のお粥とは、ほんとに別物なんだなー。あっさりした味付けの分、飽きがこないので、鍋いっぱい作ったはずなのに1日で完食してしまった。
「料理店」編は時代が近代に移った分、作りやすそうな料理も出てくるかな? そんな淡い期待をしつつ、2巻を待ちたいと思います。
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「沈夫人の料理人」(深巳琳子)の香(椎茸の蒸しスープ)

舞台を近代中国に移し、第二部を連載中の「沈夫人シリーズ」。大好きな作品ですが、なんせレシピの難易度が高すぎて、私のレベルでは手も足も出ない料理が多いです(食材も入手困難なものが多いし……イカの卵とか、どこで買えるんじゃー)。前回はタケノコ料理二種に挑戦しましたが、4巻に出てくる椎茸の蒸しスープも、材料が手に入りやすそうだったので、なんとかできるかも……とおもって、再現してみることにしました。
※【コマ引用】「沈夫人の料理人」(深巳琳子/小学館)4巻より
鶏油作り:スープ本体の前に、調味料として使う鶏油(チーユ)を作っておきます。鶏油の作り方は色々あるみたいでしたが、東海林さだお先生の本に、簡単そうなレシピが載ってたのでそれを参考にします。
鶏の皮(100g)と水(1カップ弱)を鍋に入れて火にかけ、水がなくなるまで煮詰めます。
鶏の皮を引き揚げ、冷ましたら完成。余った鶏油は小瓶などに入れて保存しておけば、ラーメンの調味料とかにも使えます。
スープ作り:乾燥椎茸を水で10分戻し、石づきをとって洗い、さらに15分水につけます。このときの戻し汁は後で使うのでとっておきます。
椎茸をスープ容器(蓋付きのもの)に並べ、ぶつ切りしたネギ、生姜1かけ(溝切りしておく)、鶏油を入れます。
上湯(澄んだ鶏スープ。今回は市販の冷凍ストックを使いました)と漉した椎茸の戻し汁を鍋で火にかけ、塩、紹興酒、砂糖(←ちょっとだけ)を入れて煮立てます。
↑のスープを、椎茸を入れた容器にそそぎ、蓋をします(チキンラーメンのおまけでもらったひよこちゃん丼)。
蓋をしたスープ容器ごと、蒸し器で20分蒸します。鍋の蓋が閉まらなかったので、上からボウルを被せてなんとか密封。ぶざま……。
20分経ったら、スープの蓋を一度開け、ネギと生姜、浮いた鶏油を除きます。
テープなどで蓋のまわりを目張りして密封し、さらに20分蒸します。
完成! テープをはがして蓋をとったら、椎茸のいい匂いにうっとりします。
食べた感想:←奥様の至福の表情のとおり、美 味 し い……!

元のスープは薄味のはずなのに、干し椎茸のエキスがたっぷり出て、びっくりするくらい濃厚な味になります。
「スープを蒸す」という調理法自体初めてでしたが、直接火にかけないことで、澄んだ状態を保てるらしい。ちょっと時間はかかりますが、自宅で本格中華を味わいたいときにオススメです(春雨とか入れたら、一品料理にもなりそう)。
※【コマ引用】「沈夫人の料理人」(深巳琳子/小学館)4巻より
おまけのレシピ:実は私、鶏皮が大好物でして。鶏油をとったあとの鶏皮を捨てるのにしのびなく、スープの出汁用のネギとポン酢であえて、一味をふっておつまみに。お酒にあいますよー。
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その他の「沈夫人シリーズ」の再現料理を見る:
・筍の黄金焼きと粥
「沈夫人の料理人」(深巳琳子)の筍の黄金焼きと粥

タケノコ、そんなに好きではないんですが、スーパーにたくさん並んでたのでつい買ってしまいました。実家では毎年春になると近所から山盛りもらってて、そのアクをとる時の臭いがすごく苦手だったなあ……(今回はもちろん水煮のを買いました)。チャレンジするのはSM系料理漫画として名高い(?)「沈夫人の料理人」に載ってた、筍の黄金焼きと筍入りの粥。難しそうな凝った中華料理のなかで、私が作れそうな数少ないメニューです。
※【引用】「沈夫人の料理人」(深巳琳子/小学館)1巻より
まずは筍入りの粥。香味野菜と干し貝柱を戻した汁と水で、角切りにしたタケノコと洗った米を40分ほど煮ます(後で中華粥のレシピを調べたら、煮る前に生米を油でいためるとコクが出るらしいですね)。お粥状になったら、塩で味付けして出来上がり。今回は大葉とネギをトッピングしました。
お次は筍の黄金焼き。玉子、小麦粉、水を混ぜた衣にきったタケノコをからめ、ラードを熱したフライパンで両面を焼き、ごま油で仕上げて完成。一見して、天ぷらみたいな感じになりました。食べた感想:
筍のお粥は、なかなか美味しい! やさしい味で、貝柱とタケノコがよく合います。一方黄金焼きは、衣がべちゃっとして、タケノコもエグみが残って正直イマイチ……。奥様にお仕置きとして指を切られそうな出来でした。うーん、中華はやっぱり難しい……。
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