マンガ食堂 - 漫画の料理、レシピを再現
「トルコで私も考えた」(高橋由佳利)のケシュキュル(アーモンドのプディング)

5年ぶりに新刊が出ると聞き、わくわくと待ち構えていた「トルコで私も考えた」。トルコ人男性とご結婚された高橋由佳利先生が描く、リアルなトルコのエピソードにあこがれを募らせたものです。
最新刊は、「トルコ料理屋編」。関西某所でトルコ料理店をオープンするまでの顛末も興味深いですが、おいしそうなレシピもいろいろ。シリーズ中のトルコ料理の描写に毎回よだれをたらしながら読んでいた読者には、たまらん内容です。
なかでも作ってみたい!とそそられたのが、お店の定番デザートにもなっているという、アーモンドのプディング「ケシュキュル」。日本人のお客さんにも好評で、ランチやコースのデザートとしてついてくる分だけでは物足りず、おかわりする人もいるくらいだとか。
※【コマ引用】「トルコで私も考えた トルコ料理屋編」(高橋由佳利/集英社)より
ちなみに先生の旦那様でお店のシェフをつとめるT氏の料理デビューは、なんと40歳から! そのきっかけは、日本に住んで「トルコのデザートがどうしても食べたい!!」という衝動からだったそう。なにがきっかけで才能が開花するか、人生わかりません。
でも日本にある外国料理のお店の何割かは、同じような背景で開店してたりするのかも(海外にある日本料理の店も然り)。故郷の味ってそれだけ思い入れの強いものなのでしょう。
作り方:(※詳しい分量については作中にレシピがあるため、ここでの掲載は控えますm_ _m)
小鍋にスライスアーモンドと水を入れ、アーモンドが柔らかくなるまで煮る。
煮たアーモンドと牛乳をミキサーで5分ほど撹拌する。

ミキサーの中身を鍋に移し替え、砂糖とバニラエッセンスを溶かしながら10分ほど煮る。

いったん火を止め、水で溶かしたコーンスターチを少しずつ注ぎ、再び火にかける。弱火~中火の間で、10分ほどヘラで鍋底から絶えず混ぜながら煮る。だんだんトロリとしてきます。

カスタードクリームみたいなもったりした固さになったら火をとめ、熱いうちに耐熱容器に流す。粗熱がとれたら冷蔵庫で2時間冷やす。
器に盛って、砕いたピスタチオを散らす(アーモンドやココナッツでもいいそう)。


食べた感想:
くずもちに似た固さで、アーモンド粒のざらっとした香ばしい食感も残っていて、最近主流のなめらかプリンとはまた違うおいしさ。食べたことがないのにどこか懐かしいような味わいで、これは確かに日本人にも食べやすいかも、と納得。
ただお店のサイトの写真を見ると、もっとゆるく柔らかそうな見た目なので、私の作り方が固すぎたのかも…。牛乳を多目にするor加熱時間を調整したらプルプルになるかな?
プディングのバリエーションはほかにもいろいろあるようで、カカオのプディング、T氏が一番好きなお米のプディングもおいしそう。いつかお店にも食べに行ってみたいな~。
≫「トルコで私も考えた」シリーズの再現料理一覧
![]() | トルコで私も考えた トルコ料理屋編 (トルコで私も考えた トルコ料理屋編) 高橋 由佳利 集英社 2013-04-18 by G-Tools |
※「トルコで~」シリーズは文庫化もされているようです





「大東京ビンボー生活マニュアル」(前川つかさ)のカレー
- 2013-04-08 (Mon)
- マンガ飯
- | Tag: 大東京ビンボー生活マニュアル 前川つかさ エスニック カレー

ひさびさにカレー作ろうかなー。という日に思い出したのが、「大東京ビンボー生活マニュアル」のとあるシーン。
実家から手作りのラッキョウ漬けをもらったコースケが、「カレーが食いたい」と思い立ち、同じアパートに住む学生さんと一緒に、スパイスから作る本格カレーに挑戦。
カレーって凝れば凝るほど材料費がかかるものですが、日頃清貧な食生活をおくっている彼らだけに、材料は最小限。狭いアパートの一室で、卓上コンロの上のフライパンでスパイスをもうもうと炒めるシーンは、理科の実験ようでワクワクしてしまう。
※【コマ引用】「大東京ビンボー生活マニュアル」(前川つかさ/講談社)下巻より
そもそもカレーって、ちょっと理系のかおりがする食べ物な気がする。
お店の雰囲気見ていても、ラーメンがTシャツとタオルで「スープは気合じゃ!!」的な体育会系ノリだとしたら(すごい偏見)、カレー屋のオーナーは研究者や仙人ぽい人が多いというか。
スパイスの無限の組み合わせがサイエンスとリンクするのか、インドの悠久の歴史がそうさせるのか……。
「味平」で例えるなら、鼻田香作と大吉の違い的な。

(左)カレー男子/(右)ラーメン男子
※【コマ引用】「包丁人味平」(ビッグ錠/集英社)
ラーメンも似合わなくはないけど、そういう意味でコースケはカレー寄りタイプかもなあ、と思ったり。
勝手な妄想はここまでにしておいて、さっそく調理。しかしいくら清貧といっても、作中で描かれた材料「だけ」で作るとなると、かなり先行き不安です。
登場するスパイスはクミン(シード)、コリアンダー(シード)、ターメリック、唐辛子、この4種のみ。
市販のカレールーに慣れた身には、ほんとにこれだけで「カレー」になるの?と半信半疑。
でも以前スーパーくいしん坊のカレーを再現したときもスパイスは4種類のみだったし、ここは原典の描写に忠実にいこう(カレー番長の水野さんもビッグ錠理論は間違ってない、とおっしゃってたし)。
分量はテキトーなので目安ですが(2人分)、・クミンシード 2つまみ
・コリアンダーシード 2つまみ
・唐辛子 4~5本(結構辛いので、お好みで調整)
・しょうが 2かけ(みじん切り)
熱したフライパンにバター10g程度をとかし、弱火でクミンシードを炒める(このスパイスを入れる順番も大事だそう)。
続けてコリアンダーシードを炒め、唐辛子とショウガも投入。弱火でしばらく炒める。カレーにトロミをつけるなら、ここで小麦粉とか入れるとよさそうだけど、作中に描写がないのではしょる。
カレーの具は玉ねぎ、にんじん、じゃがいものみ。大き目、ゴロゴロ感出るようにカット。お肉も入れたいところだけど、コースケの普段の懐事情を考えるときっと入ってないのでしょう……。

鍋にサラダ油を熱し、ニンニクのみじん切りと玉ねぎをよく炒める。水400~500ccを入れてしばらく煮込む。

フライパンで炒めたスパイスを野菜の煮えた鍋に投入し、塩で味付け。

ターメリック大さじ1を投入し、しばらく煮込んで完成。
クミンシードと塩少々を入れたスパイスご飯を炊く。トロミをつけないせいか、スープカレーっぽい感じになった。


うちも去年実家からもらったラッキョウがあったので、添えていただきます。
食べた感想:最低限のスパイスと材料で作っただけあって、ほんとうにシンプルな味。
味付けは塩だけだし、出汁は野菜だけだし、正直コクもうまみも物足りないけれど、ちゃんと「カレー」として成立していることにちょっと感動。余計なものをそぎ落とした、コースケのシンプルな生き方そのもののよう。
もうちょっと「美味しい方向」を目指すなら、具材に肉を追加したり、煮込むときに塩以外の調味料(醤油とかソースとか)を足せばいいかも。
でもこういうミニマムに構成された味も、「カレーの骨組み」をあらためて知る意味では面白いかもしれません。
※【コマ引用】「大東京ビンボー生活マニュアル」(前川つかさ/講談社)下巻より
≫そのほかの「大東京ビンボー生活マニュアル」の料理はこちら
![]() | 大東京ビンボー生活マニュアル 下 前川 つかさ 講談社 2005-11-22 by G-Tools |
「きのう何食べた?」(よしながふみ)のキムチチゲ ジルベール風

「何食べ」7巻が出ました!
クリスマスにお鍋など、冬っぽいメニューがたくさん登場するので時期的にうれしい。
シロさんとケンジ、いつもの2人の食卓だけでなく、周囲のキャラクターたちの食の描かれ方も楽しい本作。今回の巻では、お友達のゲイカップル、「ジルベール」ことワタル君のお料理が出てきます。
同居する小日向さんをいつも小悪魔的態度で翻弄するジルベール・ワタル(ヒゲのおっさん)、何をしてる人なのか…この性格で会社勤めとかできるのかしら…と気になっていたのですが、初めて職業が明かされます。ズバリ、ゆるふわ系デイトレーダーです。もっと噛み砕いて言えば、小銭のあるニー(以下略)。
そんな自由人なジルベールですが、一応料理はできるようです。小腹が減って半端な時間にひとりで作って食べるのが、キムチチゲ(と、白いごはん)。あさりと豆腐が入っていて、インスタントではなく自分でスープを作るなど、本格的でおいしそう。
※【コマ引用】「きのう何食べた?」(よしながふみ/講談社)7巻より
作り方:まずだしの準備。和風だしの素でもOKのようですが、作中にあわせて(小日向さんが夕飯用の仕込んでいた)煮干しだしをとります。
ざく切りした豚バラ肉を鍋のなかに入れて、おろししょうが・にんにく、一味とうがらし、醤油、酒、ごま油をぐちゃぐちゃ揉みこむ。このまま火にかけるので、別のボウルで揉むなんてことしません。横着なようで、合理的。
鍋をそのまま火にかけて肉を炒め、キムチを入れてさらに炒める。

煮干しだしを注ぎ、みそ、コチュジャン、キムチの漬け汁で味付け。ここはジルベールも「気まぐれなプリマ・ドンナ」のように投入してるだけなので、あまり厳密でなくてよいようです。
何より味の決め手は、あさり。冒頭のクリスマスのエピソードでもあったとおり、砂をかむのが嫌であさりは苦手なジルベールですが、このチゲには、スープのだしとして「絶対必要」らしい。
シロさんに教えてもらったらしい「冷凍あさり」(うちも常備するようになりました。便利!)を、凍ったままどばどば投入します。
えのき、豆腐も投入して鍋にフタをする。
あさりの口が開いたら、生卵を落とす。
ざく切りしたネギとニラを入れて軽く火を通したら完成。お皿に盛るときは、せっかくの半熟卵がくずれないように注意。

食べた感想:白いごはんをスープにひたしつつ、途中で卵の黄身をくずしつつ食らいます。
簡単なのに、肉・魚介・野菜・卵・豆腐、といろんな具材がバランスよく入っていて、まさに「一品で完全食」。
ニンニクのパンチ力、キムチの酸味とコチュジャンの辛み、卵のまろやかさ、いろんな旨みが一度に味わえるのが魅力。そしてあさりのだし。これがないと、確かにスープに奥深さは出ないなあ、と思える隠れた主役。
作ったのは雑誌掲載時だったのですが、この記事書いてたらまた食べたくなってしまった……。ジルベールみたいに、お腹が減った時にひとりでこっそり作って、欲望のままにガツガツ食べる、ってのがいいな。
そして夕飯を作るつもりで帰宅したのに、台無しにされた小日向さんの狼狽ぶりと翻弄されぶりが相変わらずで、いろんな愛の形があるよね…としみじみ。
≫「きのう何食べた?」の再現料理一覧はこちら
![]() | きのう何食べた?(7) (モーニング KC) よしなが ふみ 講談社 2012-12-03 by G-Tools |
「ピリ辛の家政婦さん」(小池田マヤ)のほうれん草のネパールカレー

カレーの記事続きですみません。前回作ったチキンティッカマサラから1年以上あいてしまいましたが、「ピリ辛の家政婦さん」ラ・メゾン・イヤサカ編から2つめのカレー。
チキンティッカマサラをきっかけに、にわかカレーブームが起こった弥栄荘。次々とおいしそうなカレーが登場しますが、依頼者のひとりガクンが里にオーダーしたのがこのカレー。「しゃぶしゃぶとトロトロの」がキーワードの「ほうれん草のネパールカレー」。
インドに接しているネパールは同じくカレー文化圏ですが、インドカレーよりさっぱりしているのが特徴と聞いたことがあります。
巻末にレシピが載っているので、それを参考に作ってみました。
※【コマ引用】「ピリ辛の家政婦さん」(小池田マヤ/祥伝社)より

鍋に油とクミンシードを入れて香りが出るまで火にかけ、薄切りした玉ねぎを色がつくまで炒める。

ニンニク&しょうがのみじん切り、コリアンダーパウダー、チリパウダーを入れて炒め、ざく切りにしたトマトを入れさらに炒める。
固めにゆでてざく切りしたほうれん草(2束)、水を入れて5分ほど煮る。
ガラムマサラ、塩、しょうゆで味をととのえて完成。わー、普通のカレーよりかなり簡単かも。
まずはごはんで。

ほうれん草とトマトと玉ねぎ、野菜しか入っていないのに、「物足りなさ」を感じないおいしさ。スパイスの力って偉大だなあ。
煮込まれた野菜のトロトロ&シャブシャブした食感が、食欲ないときでもするりと胃にはいって夏にいい感じ。

チキンティッカマサラのときと同じく、これもミントのアチャールがぴったり。パクチーも合いそうだな。

お椀によそってスープカレー風の食べ方も試してみた。
汁気が多くてサラリとしてるせいか、むしろこっちの盛り付けのほうがしっくりくるかも。
「うどんやゆでたジャガイモと食べてよし」と小池田先生の解説にあったので、2日目はつけ汁風にしてうどんと一緒に食べてみたけど、これがまた美味しかった。
食べ終わってみて、これはいわゆる「カレー」というより「スパイス風味の野菜のお惣菜」なんだな、という印象。
インドをはじめ本場には「カレー」という料理の概念はない、と聞きますが、「ああ、こういうことか」となんだか初めて実感できたのでした。
![]() | ピリ辛の家政婦さん (Feelコミックス) 小池田 マヤ 祥伝社 2010-12-08 by G-Tools |
≫「放浪の家政婦さん」(小池田マヤ)の再現料理一覧はこちら
≫「ピリ辛の家政婦さん」(小池田マヤ)の再現料理一覧はこちら
「おかめ日和」(入江喜和)の亀田家の4種類カレー

マンガのなかには色んなカレーが登場するもので、これまでもあれこれ作ってきたのですが、ついに自分のなかで憧れだったメニューに挑みました。
入江喜和先生の「おかめ日和」に登場する、家族の好み別に作り分けた「4種類のカレー」。
カレーといえば、よほど凝らない限りは、主婦にとってはわりとラクで家族みんなが喜んでくれる料理。しかし亀田家では、
・先生(夫)「超激辛派」/おじいちゃん「中辛派」/子供たち「甘口派」
と派閥が分かれているのに加え、具材も
・先生「薄切りの豚肉」/おじいちゃん「やわらかい鶏」/子供たち「にんじんは星の形で」
とさらに細分化。
※【コマ引用】「おかめ日和」(入江喜和/講談社)1巻より
一般的に男子は女子以上にカレーに対するこだわりが強いものですが、男所帯の亀田家の好みも三者三様。
しかしこんなバラバラの要求出されたらブチ切れて書き置きを残して家を出るところですが、母性の塊、もう「母神」と呼びたいくらいの主人公・やすこさんは、家族のためならこんなワガママも聞いてしまうのです。
そんなわけで、亀田家では「カレーは一大プロジェクト(プロジェクトC)」。あくまでも家庭料理のカレーなのに、もはやそのレベルを超えた壮大なレシピにチャレンジすることにしました。

作り方(参考:1巻の巻末レシピ):
1.まずはベースとなる鶏ガラスープ作り。大鍋に水をはり、鶏ガラ(あらかじめ血合いを取り除いておく)、骨付きもも肉、野菜くず、ニンニク、ショーガを入れて火にかける。
2.アクがどんどん出てくるので、丁寧に除きつつ1.5~2時間ほど弱火で煮る。

3.玉ねぎはレンジでチンしてシナっとさせてからフライパンで炒め、途中でニンニク、ショーガ、セロリのみじん切りを加えて飴色になるまでよく炒める。
4.具材のお肉は、先生用の豚肉(肩ロース薄切り)、おじいちゃん&子供用の鶏肉の二種類。鶏肉はもも肉と、スープ用に使った骨付きもも肉をほぐしたものを半々で使うことにしてみる。
5.肉はそれぞれ塩コショウしてフライパンで炒め、カレー粉をまぶす。激辛用には好きなだけ、中辛&甘口用には控えめに。カレー粉は定番のS&B缶を使いました。
6.肉を炒めたフライパンには赤ワインを少量入れて煮立たせる。これは↓下の工程で加えます。
7.激辛、中辛、甘口用と3つの鍋を用意し、飴色玉ねぎと炒めた肉、1のスープ、6のワイン汁をそれぞれ分け入れる。さらにトマト缶、ローリエを入れて煮込む。
【激辛鍋】カットしたニンジンを入れて柔らかくなるまで煮込み、火を止めて市販のルーを少し加える。味をみつつ(この段階だと結構ぼんやりした味です)、塩コショウ、しょうゆ、カレー粉、ケチャップ、ウスターソースなど調味料を加えて仕上げる。
【中辛鍋】炒めたナスとマイタケを鍋に加えて煮込み、火を止めてルーを少し加える。あとは激辛と同様。
【甘口鍋】じゃがいもと星形に切ったニンジン、すりおろしたリンゴを加えて柔らかくなるまで煮込む。火を止めてルーを加え、あとは同様。
ここで子供用の甘口鍋から、さらに分岐。長男のてっちゃんは肉の塊が苦手なので、鍋からルーと野菜だけ別鍋に取り分け、ほぐしたコンビーフを加えます。

これでついに鍋が4つに! コンロが足りねえ!「けっきょく人の分だけカレーのなべが~」
とやすこさんは笑ってますが、なんというか、普段のカレー作りからするとかなり異常事態な風景です。
※【コマ引用】「おかめ日和」(入江喜和/講談社)1巻より
そして「一大プロジェクト」の名にふさわしい手間のかかりようで、正直力尽きそうになりました……。
ここまでくると、家の中全体にカレーの香りが充満して、身も心も「カレーばっちこーい」な態勢になるのですが、亀田家の鉄の掟は「カレーは一日寝かせる」。
……というわけでカレーはおあずけ。この夜のメニューは「湯豆腐」と「真鱈のホイル焼き」(冬のエピソードだからですかね)。

全身でカレーを所望してる状態で、こんな真逆のさっぱりメニューを食べさせられるのは、ちょっとした拷問って感じだ……。
そして二日目、いよいよカレー解禁。
おじいちゃんの希望で薬味アラカルト(今回はらっきょう、福神漬け、ナッツ、パイン)、それから子供用の「サイダーフルーツポンチ」、野菜サラダを並べて完成。

ちょっとしたパーティー状態。

これは先生用の超激辛カレー。具は豚肉とニンジンのみ、とかなりシンプル。カレー粉を多目に入れたので、後からじんわり辛い感じ。もっと辛くするなら、唐辛子など加えてもいいかも。

おじいちゃん用の中辛。ナスとマイタケ、鶏肉入り(欲張って具を入れすぎた……)。具はやわらかく、辛さもちょうどよくて万人に食べやすい味。

子供たち用の甘口2種。手前がコンビーフ、奥がチキン。すりおろしたリンゴのおかげで、上記2つと食べ比べるとかなり甘めで、これぞおこさま向きな味。
しかしコンビーフとカレーって、意外に合うんだなあ。

サイダーフルーツポンチは、カットしたフルーツ(今回はスイカ、キウイ、パイン)をシロップと三ツ矢サイダーで割ったもの。フルーツポンチって、久しく食べてなかったな~、となんだか懐かしくなる味。
カレーの後の口直しにもなるので、大人にもうれしい。

ちなみにやすこさんが食べるのは、全部のルーをかけた「全味ミックスカレー」。
自分のことは二の次で、家族の喜びを最優先に考える彼女ならではのカレーとエピソード。
女性の魅力って古今東西で違うものですが、誤解を恐れずにいえば、やっぱりやすこさんのような「母性」って最強だなあ……と、あこがれてしまうのでした。
![]() | おかめ日和 (KCデラックス) 入江 喜和 講談社 2007-04-13 by G-Tools |
「乙嫁語り」(森薫)の市場の焼き飯

森薫先生の、中央アジアへの愛が詰まった「乙嫁語り」。アミルとカルルクを主人公にした物語は前巻で一段落(?)し、3巻では英国人学者スミスと寡婦タラスのしっとりした恋が描かれます。
この第二の「乙嫁」となるタラスが、アミルとまた違った魅力の美女で、ページを捲るごとに見惚れてしまう。森先生の漫画は美しい絵巻物のようで、描きこまれた一コマ一コマを眺めるのは至福のひととき。
大人のラブストーリーが中心の3巻のなかで、ひときわ楽しそうなのが、にぎやかな市場でアミルたちが食事するエピソード。店の奥座敷に席を設け(女性が外で飲食するのは、あまりよくないことのよう)、屋台で売られるさまざまな料理をテイクアウト。アミルは生きたキジを買って自らさばいたり、相変わらずのマイペースっぷりです。「乙嫁語り」の舞台となる地域は諸説ありますが、今回の巻を読むと、ウズベキスタンあたりが近いのかも。宴会シーンで描かれる料理も、ウズベキスタンやウイグルによく似たものが見られます(2巻に登場する、かまどの日の飾りパンもそうかも ←この再現はまだ試行錯誤ちゅう…)。
特に美味しそうだったのが、大鍋で作られる焼き飯。これは、中央アジア一帯で食べられている「プロフ(ポロ)」というピラフ料理が近いよう。
※【コマ引用】「乙嫁語り」(森 薫/エンターブレイン)3巻より
プロフの作り方は地域によって異なるようで、作中でもガイド役のアリと市場の人々が、「ニンジンより玉ネギを先に炒めるべきだ」「ハミ瓜は入れないのか」など、喧々囂々。※【コマ引用】「乙嫁語り」(森 薫/エンターブレイン)3巻より
ちなみに、アリがこだわる「ハミ瓜」とは、調べるとメロンの品種のようでして。メロンとスイカの中間の味がするそうですが、それは果たして焼き飯に合うのだろうか……。生じゃなくて、ドライフルーツにして入れるのかな。うーん、謎。
材料:作中のやりとりを参考にしつつ、好みの材料を足して作ってみます(3~4人前)。
・インディカ米(なければ普通の米でも) 2合
・水 2カップ
・骨つきラム肉 4~5本
・ニンジン 1本
・玉ネギ 1/2個
・クミンシード 小さじ1
・干しぶどう お好み
・ひよこ豆の水煮 お好み
・にんにく 1かけ
作り方:人参と玉ネギは粗いみじん切りに。ラムは骨から肉を切り外し、一口大に(骨はスープのだし用にとっておく)。
中華鍋を熱してお玉一杯分の油を入れ、ニンニクをさっと炒める。アリは「玉ネギから派」ですが、ここは市場のおっちゃんにならって、ニンジンから炒めます。
玉ネギを加え、しんなりするまで炒める。
ラム肉と骨を入れて、火が通るまで炒める。
水と塩を加え、しばらく煮る。

米を入れて少し混ぜ、クミンシード、干しぶどうを加えて中火で煮る。

あとは、中火で蓋をして炊き上げるだけ。ここでやってみたかったのが、この「小皿でフタ」!!※【コマ引用】「乙嫁語り」(森 薫/エンターブレイン)3巻より
大鍋で調理するため、適当な大きさの蓋がないからこうなったのでしょうか。でもこの、小皿が積み重なったビジュアル、なんとも味があっていいなあ、とあこがれます。
とりあえず、家にある小皿をかき集めて再現してみたけど……炊き加減が読みにくいので、普通の蓋のほうがいいという結論にw
15分くらいで炊き上がります。底のほうが少し焦げてしまったけど、まあいいか。ラムの骨を取り出し、ひよこ豆の水煮を加えて混ぜ、蓋をして蒸らします。
最後に塩コショウで味つけして完成。
大皿にこんもりと盛って、取り分けていただきます。

食べた感想:
クミンと羊肉の香りが、いかにもエスニックでそそります。
油を多目に使うので、普通の炒飯に比べて脂っこいですが、味つけは塩と香辛料だけなのでわりとあっさり。干しぶどうの甘みや、ひよこ豆の食感がアクセントになるので、苦手でなければ入れるのがおすすめ。作中のように、ほかの料理と一緒に食べるなら、具はもっとシンプルでいいかもしれません。
トルコ料理のようにプレーンヨーグルをかけて食べる地域もあるようですが、この味なら意外といけるかも。
今度はハミ瓜を探して、アリおすすめの作り方でも試してみようかしら……。
追記:
コメント欄でも情報いただきましたが(ありがとうございますm_ _m)、コミックナタリーさんの特集ページで、森先生ご自身が3巻の料理を再現されています!
焼き飯だけでなく、うどんやキジ肉も。めちゃくちゃ美味しそうなので、ぜひご覧ください!
http://natalie.mu/comic/pp/otoyomegatari02
![]() | 乙嫁語り(3) (ビームコミックス) 森 薫 エンターブレイン 2011-06-15 by G-Tools |
「ピリ辛の家政婦さん」(小池田マヤ)のチキンティッカマサラ

「ピリ辛の家政婦さん」から、カレー2品。前回ご紹介したチキンファヒータのように、美味しそうなスパイス料理がたくさん登場するイヤサカ編。なかでも、バラエティー豊かなカレーが続々と登場する前半のエピソードは、読むと頭の中がカレー色に染まるほど強烈!※【コマ引用】「ピリ辛の家政婦さん」(小池田マヤ/祥伝社)より
発端は、弥栄荘の住人の一人で、少女マンガ家のコンコンが依頼した、修羅場用のご飯。「手早く楽に食べれて何度も飽きずに食べれて食べる量も調節出来ておいしくて元気の出るごはん」……というリクエストに応えて、里が作ったのはカレー。しかもただのカレーではなく、スパイスたっぷりのチキンティッカマサラ。
美味しそうなカレー臭に釣られて、ほかの住人たちがご相伴に預かろうとやって来ますが、コンコンは「あげないわよ!」と一喝。次の日から、各住人が里に好みのカレーを依頼する事態に……。
さてこのチキンティッカマサラ、純粋なインド料理かと思いきや、イギリス発祥の料理なんですね。植民地時代の名残か、イギリスではインド料理がごく一般に根付いているようです。カレーの魅力に征服されたのは、日本だけじゃなかったのね。
ちなみに今回のレシピも、フィールヤングの公式ブログに、小池田先生自ら詳しく解説されてるので必見(写真もステキです!)。なのでここでは、作ってみた感想のみを。

ご飯は、作中にあわせてクミンライスで。炊飯する際に、クミンシードと塩、サラダ油を加えて炊きました。
また、上の公式ブログでもおすすめされてるのが、付け合わせの「パセリとミントのアチャール」。カレーに添えると本格的な味になるそうです。

食べた感想:う、うまーーい。家で作るシンプルなカレーとは一線を画す、複雑な美味しさです。乳製品をたっぷり使ってるだけあって最初はマイルドなんですが、後口はかなり辛いので(胃が熱くなるほど!)、苦手な人はチリパウダーを少なめにしたほうがいいかも。
(※コメント欄でご指摘いただきましたが、激辛に仕上がったのは、レシピで「チリパウダー」を使うところを、間違えて「チリペッパー」を使ってしまったからのようですorz チリパウダーなら、そんなに辛くは仕上がらないようです。勘違いで申し訳ありませんm_ _m)
そのままだと洋風インドカレーという印象ですが、ここに香草やライム、アチャールをあわせるとエスニック感が増すよう。口のなかもさっぱりします。
煮詰めすぎたせいか、カレーというよりもチキンのカレー煮込み、という見た目になっちゃいましたが(ナイフとフォークのほうが食べやすい)、水分を残してシチューっぽく仕上げてもいいかもしれません。
翌日はパンに乗せて食べてみましたが、これもうまいです。ナンに挟んでみてもよかったなー。
家政婦さんカレー、次は巻末にレシピが載ってる「ほうれん草のネパールカレー」を作ってみようと思います。
![]() | ピリ辛の家政婦さん (Feelコミックス) 小池田 マヤ 祥伝社 2010-12-08 by G-Tools |
≫「放浪の家政婦さん」(小池田マヤ)の再現料理一覧はこちら
≫「ピリ辛の家政婦さん」(小池田マヤ)の再現料理一覧はこちら
「ピリ辛の家政婦さん」(小池田マヤ)のチキンファヒータ ほか

小池田マヤ先生の「家政婦さんシリーズ」の最新刊が出ました。前作「放浪の家政婦さん」でも美味しそうなシーンが満載でしたが、今回はさらに料理ネタがパワーアップ。さらに嬉しいことに巻末には、作中に登場する料理を再現できる、小池田先生の描きおろしレシピまで!どれから作ろうか迷ってしまいましたが、今回は「ラ・メゾン・イヤサカ」のエピソードに出てくる、チキンファヒータと、ほかのメキシコ料理を再現してみることにしました。
※【コマ引用】「ピリ辛の家政婦さん」(小池田マヤ/祥伝社)より
「ラ・メゾン・イヤサカ」は、漫画家に小説家など、個性的なクリエイターたちが共同生活するコーポラティブハウスが舞台。危ういバランスで保たれていたそれぞれの人間関係が、家政婦・里の出現で混乱していく様子がハラハラしつつ面白いです。
チキンファヒータは、契約期間最後の日に、里が振る舞った料理。狂乱の日々を締めくくる、スパイスたっぷりの料理とモヒートでの乾杯が印象的でした。そのほか、海老とセロリのセビチェ、レンズ豆のスープ、ワカモレとフレッシュサルサのディップなど、メキシコ料理のフルコースです。
メインのチキンファヒータは、フィールヤングの公式ブログで小池田先生のレシピが公開されてます!
分量や工程も詳しく解説されているので、作り方はそちらをご覧いただくことにして、作ってみた写真だけ公開。

ホットプレート推奨とのことですが、確かに調理もラクだし熱々を食べられておすすめです。

冷凍トルティーヤをフライパンで温め(焼きすぎると固くなるので注意)、ファヒータを巻いていただきます。

食べた感想:
かなり辛いー! でもうまいーー! チキンは胸肉で、脂身を除去して作るのでパサパサしないか心配でしたが、事前にマリネするおかげか気になりません。辛さはもちろん、クミンのエスニックな香りがきいてて、止まらない美味しさ。辛いのが苦手な方は、スパイスの量を加減したり、アボカドのディップをあわせて食べるとまろやかになっていいかも。

モヒート:
ファヒータのおともが、作中の乾杯シーンにも登場したモヒート。ラムとソーダ、ミントの葉、砂糖(orシロップ)で作るさわやかなカクテルです。里いわく、ポイントは酒とグラスをよく冷やすこと。クラッシュドアイスを使うこと。さらにミントをたっぷり入れて、ガシガシよく潰すこと。
実はラム酒は苦手だったんですが、これはミントの香りがさわやかで飲みやすかったです。激辛のファヒータにめちゃくちゃ合います。
ここから以下のメニューは、作中にレシピがないので、色んなサイトを参考にしつつ勝手に想像して作ったものです。あくまで参考程度にどうぞ。

海老とセロリのセビチェ:セビチェは、南米でよく食べられているマリネ風の海鮮サラダらしい。作り方は色々あるようですが、今回は以下のようなレシピで。
海老は茹で、セロリはぶつ切り、トマトは皮と種とって乱切り、香草はと玉ねぎはみじん切り。以上を塩胡椒と、ライム半個の絞り汁、ハラペーニョでよく混ぜて冷やしておきます。
酸味と海老の甘さがよく合う、さわやかな前菜風。ちょっとタイ料理っぽい味です。


レンズ豆のスープ:
生のレンズ豆からも作れるようですが、今回は手軽に缶詰で。鍋に油を入れてニンニクと玉ねぎのみじん切りを炒め、レンズ豆缶とトマト缶を入れて煮込むだけ(レンズ豆缶に塩が入ってる場合は、味付けも不要かも)。
ソウルフードっぽい素朴な味で、レンズ豆のツブツブした食感が美味しい。ソーセージと一緒に煮込んでも合いそう。

ワカモレとフレッシュサルサ(タコスチップ添え):
おなじみのメキシコ料理。これも作り方は色々あるようですが、
<ワカモレ>アボカド1個をよく潰し、玉ねぎ1/4個のみじん切り、ライム大さじ1、ハラペーニョ、塩胡椒で味付け。
<フレッシュサルサ>湯むきして種をとり角切りしたトマト1個、玉ねぎ1/4のみじん切り、香草、ライム大さじ1、ハラペーニョ、塩胡椒で味付け(水分が多すぎたのか汁っぽくなってしまいました)。
…という感じにしてみました。これに市販のプレーンのタコスチップを添えます。
こういうディップは、瓶詰の市販品もありますが、手作りはやっぱり格段に美味しい。いくらでも食べられます。
まとめ:
メキシコ料理って、ナチョスとかブリトーとかチーズたっぷりのこってりしたイメージがあったけど、この献立はさっぱりしてて胃もたれもせずヘルシーな印象でした。一品一品の手間は、思ったほどかからないので、パーティーメニューにおすすめです。
あ、何か忘れてる……と思ったら、最後に出てくるデザートの「パイン缶づめラムシロップソテー」作ってなかった!orz(後日こっそりアップします)
「ラ・メゾン・イヤサカ」のエピソードには、このほかにも美味しそうなスパイス料理がたくさん出てくるので、また作ってみたいです。
![]() | ピリ辛の家政婦さん (Feelコミックス) 小池田 マヤ 祥伝社 2010-12-08 by G-Tools |
≫「放浪の家政婦さん」(小池田マヤ)の再現料理一覧はこちら
「美味しんぼ」(雁屋哲/花咲アキラ)の牡蠣のオムレツ

※【コマ引用】「美味しんぼ」(雁屋哲/花咲アキラ/小学館)66巻より「美味しんぼ」66巻に登場する、牡蠣のオムレツを作ってみました。
生牡蠣が大好物で、レストランでは一人で7ダースを平らげるほどの大川嬢。しかし彼女が好きなのは生牡蠣だけで、「牡蠣は火を通すといやな味になる」と、カキフライや蒸し物など、ほかの料理には手を付けようとしません。
彼女に生だけでは味わえない、牡蠣の豊かな美味しさを知ってもらおうと、山岡が作ったのがこの料理です。
仕上げにニョクマムを使うことからわかるとおり、牡蠣のオムレツは台湾やタイなど、アジアで広く親しまれている庶民的な料理のよう。作中の作り方は、味付けもあっさりとアレンジされていて、なかなか美味しそうです。
材料:牡蠣、卵、ネギ、ニンニク、ニョクマム(ナンプラー)。
牡蠣はほんとは殻付きの生牡蠣を使いたかったんですが、店頭ではなかなか置いてなくて断念orz
スーパーで買えるのには、生食用と加熱用がありますが、どちらでもいいと思います(両方食べ比べてみたけど、個人的には生食用のほうが好みかも。殺菌処理されてるので、火加減もアバウトでいいし)。
作り方:フライパン(or中華鍋)に油を入れて熱し、みじん切りしたニンニクと、5mm程度に切ったネギを入れて、香りが立つまで炒めます。
牡蠣のむき身(※今回はパック牡蠣なので、片栗粉で汚れを落とし、酒をふって下処理)を入れ、さっと炒めます。
溶き卵を回し入れ、中火で卵に七分程度火が通るまで焼き、皿に盛ります。ここで牡蠣に火を通しすぎないのがポイントらしい。
オムレツの表面に、ハケでニョクマムを軽く塗って完成。いつも参考にしてる「美味しんぼの料理本」では、ふわふわの半熟オムレツっぽい仕上がりでしたが(これも美味しそう)、今回は作中のコマにあわせて薄焼き風のオムレツにしてみた。
卵は2個使うと火が通るまでに時間がかかってしまうので、1個だけでもよかったかな……。

食べた感想:
薄焼きの卵のなかにゴロゴロと牡蠣が入っていて、ちょっとチヂミにも似た見た目です。半熟程度の火加減で仕上げた牡蠣は、ぷりっと甘くて確かに生では味わえない複雑な美味しさ。ニョクマムの香りと塩気が丁度いい調味料になってて、シンプルだけど飽きの来ない味でした。

もっと薄焼き風を目指したくて、卵1個で作ってみたのが上。
今度は卵が少なすぎて、牡蠣だらけのビジュアルになってしまったw うーん、簡単なようで難しい。
ニョクマムであっさり食べるのもいいけど、レモンを絞ったケチャップで食べても、なかなか美味しかったです。
今回はあいにく、パックの牡蠣しか手に入らなかったけど、次回は殻付きの牡蠣で作ってみたいなあ。夏場に出回る、大ぶりの身が特徴の岩牡蠣が大好きなんですが、あれでこのオムレツ作ったら美味しそう。でもやっぱり、殻付き牡蠣を目の前にしたら、そのままレモン絞ってつるっと食べる誘惑には勝てないかも……。
![]() | 美味しんぼ (66) (ビッグコミックス) 雁屋 哲 花咲 アキラ 小学館 1998-06 by G-Tools |
≫「美味しんぼ」(雁屋哲/花咲アキラ)の再現料理一覧はこちら
「サカタ食堂」(坂田靖子)のタマリンド水のシチュー

※【コマ引用】「サカタ食堂」(坂田靖子/ジャイブ)『タマリンド水』より坂田靖子先生は、いずれちゃんと読んでみたいなあ、と思っていた作家さん。短編集もたくさんあるし、「バジル氏の優雅な生活」も名作として名高いし、どれから手に取るか……と悩んでる間に、機会を逃してしまっていました。
最近、新旧の食べ物の話を集めた短編集「サカタ食堂」が出たと知り、「これだ!」と決心がついてようやく手に取った次第。
短編のなかで一番印象に残ったのが、「タマリンド水」のお話。旅行中に身ぐるみはがされ、東南アジアと思われる村で保護された青年は、そこで毎日村人たちから「酸っぱい味のシチュー」をふるまわれます。
その後無事町に戻った青年は、再び村に行くことを切望しますが、村の名前も場所も不明。諦めかけた頃、友人に誘われて入ったレストランで、あの酸っぱいシチューと再会します。その料理が「タマリンド水のシチュー」という名前であることを知り、ようやく村への手がかりをつかみますが……。と、こんなお話。
タマリンドは「スパイスビーム」の再現でも使った食材ですが、干したアンズのような甘酸っぱいマメ科の植物。料理の酸味づけに使う、という知識は前回得ましたが、スープにするってどんな味なんだろう。調べてみると、タマリンドを使った酸味のあるスープ料理は東南アジア各地にあり、タイでは「トムソム」、フィリピンでは「シニガン」、そしてベトナムでは「カインチュア」という料理名のよう。(※wikipediaより)
さてそうすると、今回の「タマリンド水」のエピソードに登場した東南アジアの村は、一体どの国なのか……? 村の人々が仏教徒である点や、水牛のある生活、さらに頭に被っている菅笠から、おそらくベトナムが一番近いんじゃないか、と推測。というわけで、カインチュアの作り方を参考に再現してみます。
材料:・タマリンド ・白身魚(今回は骨つきの真鱈)
・海老 ・トマト ・もやし ・オクラ
・パイナップル ・万能ねぎ ・バジル
・パクチー ・レモングラス
・唐辛子 ・ナンプラー ・砂糖、塩
※作り方は、こちらのサイトを参考にさせていただきましたm_ _m
うーん、久々に材料から味がまったく想像できない料理です。パイナップルの入ったスープって……謎すぎて、オラわくわくすっぞ!!
本場ではメコン川でとれるような川魚を使うようですが、スーパーになかなか置いておらず断念。とりあえずクセのない真鱈と海老にしてみました。そのほかの材料も、手に入れやすい物でアレンジしています。
作り方:1.タマリンドの実はキッチンペーパーなどに入れ、水の入ったボウルのなかで色づくまでよく揉み出します。

2.白身魚はぶつ切りにし、塩を振って血合いを洗います(現地では魚の頭も入るようなので、尾頭付きで)。
鍋に油とニンニクを入れて香りが出たらエビと魚を入れ、ざっと火を通します。真鱈は身がやわらかいので、ちょっと崩れてしまった……。
3.別鍋に水を沸騰させて酒と塩を入れ、2の魚とエビを加えてアクを取りつつしばらく煮ます。

4.タマリンド水を加え、酸味をつけます(加減はお好みで)。本場ではナンプラーをつけだれにして食べるようですが(鍋の味ぽん的な感じで)、作中では皿ひとつで食べていたので、ここで味付けに使っちゃいます。あと、砂糖も。

ぶつ切りにしたパイナップル、トマト、オクラ、レモングラスを入れてさっと煮ます。さらにもやし、万能ネギを加えてひと煮立ちしたら完成。
パクチー、バジル、レモン、唐辛子をのせていただきます。

食べた感想:
レモングラスや香草のエスニックな香りがして、トムヤムクンから辛さを抜いたようなさっぱりしたスープ。タマリンドだけでなく、トマトやレモンの酸味もありますが、お酢みたいにとがってはおらず、マイルドです。ただパイナップルを入れすぎたのか変に甘くなっちゃって、これは私の味付けの失敗だな(T益T)。
自分なりに調べて作って食べて、納得したかというとその逆で……うーん、どこがどうとは言えないけど、やっぱり漫画のなかのシチューとは「別物」!なんですよね(これは漫画飯作るたびに、いつも心のどこかで思うことだけど)。読んだ時のイメージが強いほど、自分のなかの想像の味を超えるのは難しいのかもしれない。
というわけで、「タマリンド水のシチュー」のほんとの味は、私のなかでまだまだ謎のままです。
| サカタ食堂 坂田靖子よりぬき作品集 (ピュアフルコミック) | |
![]() | 坂田靖子 おすすめ平均 ![]() これからの季節のお供にAmazonで詳しく見る by G-Tools |
- 月別アーカイブ
-
05
04 03 02 01 12 11 10 08 07 06 05 04 03 02 01 12 11 10 09 07 06 05 04 03 02 01 12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01 12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01 12 11 10 - 作品から探す(50音順)
- ・愛がなくても喰ってゆけます。(よしながふみ)
・アオイホノオ(島本和彦)
・青みゆく雪(宇仁田ゆみ)
・あさりちゃん(室山まゆみ)
・アルコール(西村しのぶ)
・うめぼし(小池田マヤ)
・おいしい関係(槇村さとる)
・美味しんぼ(雁屋哲/花咲アキラ)
・大奥(よしながふみ)
・おかめ日和(入江喜和)
・おせん(きくち正太)
・夫すごろく(堀内三佳)
・乙嫁語り(森 薫)
・オハナホロホロ(鳥野しの)
・おはようおかえり(鳥飼茜)
・女の子の食卓(志村志保子)
・かむろば村へ(いがらしみきお)
・きのう何食べた?(よしながふみ)
・きりきり亭主人(きくち正太)
・銀のスプーン(小沢真理)
・クッキングパパ(うえやまとち)
・刑務所の中(花輪和一)
・げんしけん(木尾士目)
・玄米せんせいの弁当箱(魚戸おさむ/北原雅紀)
・極食キング(土山しげる)
・極道めし(土山しげる)
・孤独のグルメ(久住昌之/谷口ジロー)
・こどもの体温(よしながふみ)
・食キング(土山しげる)
・サカタ食堂(坂田靖子)
・酒場ミモザ(とだともこ)
・酒ラボ(宇仁田ゆみ)
・三国志
・3月のライオン(羽海野チカ)
・さんさん録(こうの史代)
・深夜食堂(安倍夜郎)
・...すぎなレボリューション(小池田マヤ)
・スパイスビーム(深谷陽)
・スーパーくいしん坊(ビッグ錠/牛次郎)
・スペースシェフシーザー(Boichi)
・すみれファンファーレ(松島直子)
・西洋骨董洋菓子店(よしながふみ)
・それではさっそくBuonappetito!(ヤマザキマリ)
・大東京ビンボー生活マニュアル(前川つかさ)
・誰も寝てはならぬ(サラ イネス)
・ちぃちゃんのおしながき・繁盛記(大井昌和)
・チーズの時間(山口よしのぶ/花形玲)
・ちはやふる(末次由紀)
・チャンネルはそのまま!(佐々木倫子)
・沈夫人の料理人シリーズ(深巳琳子)
・天食(泉昌之)
・天体戦士サンレッド(くぼたまこと)
・どいつもこいつも(雁須磨子)
・ドカコック(渡辺保裕)
・Dr.スランプ(鳥山明)
・ドラえもん(藤子・F・不二雄)
・トルコで私も考えた(高橋由佳利)
・ドロヘドロ(林田球)
・にがくてあまい(小林ユミヲ)
・にこたま(渡辺ペコ)
・のだめカンタービレ(二ノ宮和子)
・not simple(オノ・ナツメ)
・のんちゃんのり弁(入江喜和)
・バッカス(青木健生/井上元伸)
・パスタの王国(中祥人)
・パタリロ(魔夜峰央)
・ハチミツとクローバー(羽海野チカ)
・花と奥たん(高橋しん)
・バーバーハーバー(小池田マヤ)
・ばらかもん(ヨシノサツキ)
・パラダイス・カフェ(ひうらさとる)
・ハルシオン・ランチ(沙村広明)
・バンビ~ノ!(せきやてつじ)
・ひまわりっ(東村アキコ)
・ピリ辛の家政婦さん(小池田マヤ)
・flat(青桐ナツ)
・フラワー・オブ・ライフ(よしながふみ)
・へうげもの(山田芳裕)
・Heaven?(佐々木倫子)
・包丁人味平(牛次郎/ビッグ錠)
・放浪の家政婦さん(小池田マヤ)
・MASTERキートン(勝鹿北星/浦沢直樹)
・まんが道(藤子不二雄A)
・ミスター味っ子(寺沢大介)
・水玉生活(サラ・イイネス)
・めしばな探偵タチバナ(坂戸佐兵衛/旅井とり)
・モテキ(久保ミツロウ)
・もやしもん(石川雅之)
・モンキー・パトロール(有間しのぶ)
・ラウンダバウト(渡辺ペコ)
・リトル・フォレスト(五十嵐大介)
・路地恋花(麻生みこと)
- 料理ジャンルから探す(※整理中)
- 最近面白かった漫画
- 最近のコメント
- 最近のトラックバック
- Search
- Meta
- Links
- Feeds














